「ちょっとした業務改善のアプリが欲しいんだけど、開発を頼むと数百万円かかるって言われて……」
そんな声を現場で耳にすることがあります。小さな工夫で仕事はぐっと楽になるはずなのに、専門のエンジニアが不足していたり、費用や時間の壁が立ちはだかったりして、実現できないまま終わってしまう。そんな経験はありませんか?
こうした課題を解決する選択肢として、近年注目を集めているのが「ノーコード」です。
ノーコードとは?
ノーコード(No Code)とは、その名の通りプログラミングコードを書かずにアプリやシステムを開発できる手法です。
専門知識がなくても、画面をドラッグ&ドロップで組み立てたり、用意されたテンプレートを選んだりするだけで、アプリを形にすることができます。
たとえば「紙で回していた申請書をスマホで入力できるようにしたい」と思ったとき。従来であればシステム開発会社に依頼して数か月かかっていたものが、ノーコードを使えば現場の担当者自身が数日で作り上げてしまえる――そんな世界がすでに広がっているのです。
ローコードとの違い
よく一緒に語られるのが「ローコード」です。
ノーコードが「一切コードを書かない」のに対し、ローコードは「基本はGUI操作だが、一部の高度な処理にはコードを補う」スタイルです。
たとえばノーコードで画面を作り、ローコードで細かいビジネスルールを追加する――そんな組み合わせも一般的です。
つまり、ノーコードとローコードは「二者択一」ではなく、むしろお互いを補い合う存在と言えます。
なぜ今注目されるのか
ノーコードが注目される背景には、DX推進の加速とIT人材不足があります。
「やりたいことはあるのに人も予算も足りない」という状況を解消する手段として、多くの企業がノーコードに期待を寄せています。
そしてもうひとつ、大きな理由があります。
それは「自分の手で形にできる楽しさ」です。
自分が欲しいアプリを自分で作り、仲間とすぐに共有できる。そのスピード感と自由さは、従来の開発では得られなかった体験でしょう。
魅力と限界
ノーコードの魅力は、誰もが開発に参加できることです。
「こんな仕組みがあれば業務がもっと楽になるのに」と思った人が、自らアプリを作り出せる。まるで、手作りの道具を職場に持ち込むような感覚です。
ただし、万能ではありません。
複雑な処理や独自仕様を求めると、どうしても「コードを書く」世界に戻る必要があります。また、利用するプラットフォームに依存するため、自由度が制限されることもあります。
だからこそ大切なのは、どこまでをノーコードで実現し、どこからを専門家に任せるのかを見極めることです。
現場での導入イメージ
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営業部門:顧客との商談記録をノーコードでアプリ化し、現場スタッフがスマホから入力 → 共有スピードが大幅にアップ
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総務部門:備品管理をアプリ化して、在庫状況を一目で把握 → Excelや紙台帳から解放
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EC担当:Shopifyを使って短期間でオンラインショップを立ち上げ、トライアル的に新規市場に挑戦
このように、ちょっとした「欲しかった仕組み」を自分たちで素早く形にできるのがノーコードの真骨頂です。
導入時の注意点と成功のコツ
便利なノーコードですが、導入する際には気をつけたいポイントがあります。
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目的を明確にすること
「とりあえず導入」ではなく、解決したい課題をはっきりさせてから使うのが成功の鍵です。
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ツール選定を慎重に行うこと
連携したいシステムや求める機能に合ったツールを選ぶことが重要です。
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社内での共有体制を整えること
個人に依存した使い方ではなく、ドキュメント化や教育を並行して進めると長続きします。
実際に使われているツールたち
代表的なノーコードツールには、以下のようなものがあります。
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ASTERIA Warp:業務データ連携に強く、既存システムと組み合わせやすい
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Platio:現場スタッフでも使いやすいモバイルアプリ作成ツール
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Shopify:世界中で利用されているECサイト構築プラットフォーム
これらを活用すれば、アイデアをスピーディに形にすることができます。
ノーコードがもたらす未来
もし、現場の一人ひとりが「自分のアイデアを形にできる」ようになったらどうなるでしょうか。
小さな改善が積み重なり、やがて組織全体が柔軟で効率的に変わっていく――そんな未来がすぐそこまで来ています。
ノーコードは単なる便利なツールではなく、働き方そのものを変えるきっかけになり得るのです。
あなたの職場にも「これがあったら便利なのに」という思いつきが眠っていませんか?
それを自分の手で形にできるのが、ノーコードの最大の魅力なのです。
この記事を読んで、「IT知識やプログラミング経験がなくてもノーコードツールなら
使えそう!」と感じていただけたらうれしいです。
IT知識のない私が、ノーコードツールの構築から開発までを実際にやってみた様子を紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
▼ASTERIA Warpの構築からBoxアダプターが使えるようになるまで
「https://info.isi-grp.co.jp/blog/isit/until-the-box-adapter-is-ready-to-use」
弊社ISIでは、今回ご紹介したような、「アプリケーション開発」や「業務システム開発」のための製品を取り扱っています。
ノーコードツールについてもっと知りたい方や、導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
また、弊社製品でどのようなことができるのか興味を持たれた方は、「【ノーコードツール】「Boxアダプター」」のページや、実際にノーコードツールで開発した様子を掲載している「【Boxアダプター活用法2】Boxのアカウントを作成してみよう!」の記事も読んでみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。