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自動でデータ統合が可能!?「ETL」ってなに?

データ活用やデータ連携という言葉が飛び交う中、それらを実現してくれるツールや仕組みをご存じでしょうか?

今回は、データを活用するためには欠かせない裏側の仕組みである「ETL」についてご紹介いたします。

この記事で、ETLについて詳しくなり、もっと効率的にデータ活用ができるようになっていただければ幸いです。

1. ETLとは

ETLとは、「Extract Transform Load(エクストラクト トランスフォーム ロード)」の略で、データを抽出(Extract)変換(Transform)格納(Load)するという「バラバラであったデータを統合する際のプロセス」を意味しています。

データを抽出(Extract)変換(Transform)格納(Load)する際のそれぞれの工程をご紹介します。

抽出(Extract)

まずは、データの抽出です。
バラバラになってしまっているデータを1ヶ所に集めます。

利用目的に応じてデータを抽出していきます。

売上が知りたいときは、売上個数と売上高データのみを集め、受注数や在庫数に関するデータは集めないなど、必要となるデータのみを抽出します。

ここでデータ抽出の取捨選択をしておくことでこれ以降の作業を効率よく進めることができます。

変換(Transform)

次はデータの変換です。

抽出されたデータをDWH*で分析しやすいデータへと「クレンジング」「マッピング」「グルーピング」という3段階に分けて変換されます。

クレンジングでは、データの重複や表記ゆれなどの誤りを修正します。

マッピングでは、「えんぴつ」を「01」、「消しゴム」を「02」、「ねじ」を「03」というように、データを統合させやすい別の体系へと変換させます。

グルーピングでは、「文具」を「A」、「工具」を「B」とグループ化し、「文具」の分類にある「えんぴつ」と「消しゴム」はそれぞれ「A01」「A02」と表し、「工具」の分類にある「ねじ」は「B03」とするように、グループを指定しデータを集約します。

*DWHとは、データウェアハウスの略で、適切な形に変換されたデータを保存するための倉庫のこと。

格納(Load)

最後はデータの格納です。

データを抽出・変換したあとに、DWHへ保存します。

データをただただ集め保存するのではなく、決まった形に変換しておくことで、データを使用したい際に素早く取り組み始めることができます。

2. EAIとどう違う?

ETLと似た言葉に「EAI*」があります。

ETLとEAIにはどのような違いがあるのでしょうか?

まずは「EAI」についてご紹介いたします。

EAIは、「Enterprise Application Integration(エンタープライズ アプリケーション インテグレーション)」の略です。
「企業内アプリケーションの統合」という意味で、企業内にある様々なシステム間のデータを連携するための仕組みのことを指します。

各システムや各アプリケーションのデータを繋ぐための架け橋というイメージを持っていただくと良いかと思います。

EAIは、日常の業務で使うデータを連携するなど、日々気軽に活用することができます。

一方「ETL」は、バッチ処理**を得意としており、大量の蓄積されたデータをこの期間内で処理するといった活用をします。

ETLはバッチ処理を得意とするデータ統合のプロセスのことで、EAIはシステムやアプリケーション間のデータ連携をスピーディーに行うことを指します。

EAIとETLは、それほど多くないデータを連携させるのか、大量のデータを統合させるのかというところに違いがあります。

*EAIについては、こちらの「システム連携の要となるEAIツールの4つのメリット」をご覧ください。

**バッチ処理とは、一定期間や一定量ごとにデータをまとめ、一括して実行処理すること。

3. BIと合わせて使うことで

ETLとよく一緒に活用されるツールに「BI*」というものがあります。

「ETL」は「BI」と一緒に活用することでどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

まずは、「BI」についてご紹介いたします。

BIは、「Business Inteligence(ビジネス インテリジェンス)」の略で、企業が蓄積した膨大なデータを収集・分析・加工し、経営戦略のための意志決定を行うサポートをします。

ETLを通し、データをBIで分析しやすいかたちに変換することで、BIでよりきめの細かいデータ分析が可能になります。

*BIについては、こちらの「データの可視化で意思決定をサポート! 「BI」についてとそのメリット」をごらんください。

4. ETLで改善できること

具体的にETLを導入すると業務においてどのようなことが改善されるのでしょうか?

ETLが誕生する以前は、データを変換し、DWHへ保存しようと思うと、「システムからデータを抽出→コード変換→集計加工→クレンジング→ロード→DWH」と6段階の開発が必要とされていました。

ETLではこの6段階を自動化してくれるので、開発コストやミスの削減が実現されるようになりました。

5. ETLのメリット

次にETLを導入するメリットについてお伝えします。

誰でもデータ統合ができる

先ほどの章でお伝えしたように、ETLを導入することで、データの変換から保存までを自動で行ってくれます。

データを使える形にするための開発が不要であるため、プログラマーやエンジニアがいなくてもデータ統合を行うことが可能です。

データの質が向上する

ETLには、クレンジングという機能があり、データの重複や表記ゆれ、誤りなどを自動で修正してくれます。

ETLは、人の目では気づけない箇所や事柄まで修正してくれるので、どんな人が行っても質の高いデータ統合が可能になります。

今回は、データの抽出から変換DWHへ保管してくれる「ETL」についてご紹介いたしました。

データを統合しておくことで、データを使いたいときに使いたい形で活用できるようになります。

データ統合を行うためには、多くの開発を伴っていましたが、ETLはその流れを自動化させることができます。
ETLで統合されたデータを保管し、リアルタイムなデータ分析を行ってみませんか?

弊社ISIでは、ETLについてのサービスも取り扱っております。
ETLについての課題や悩みをお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

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