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2016年2月14日

原価管理を学ぶ「原価とは何か?」

突然ですが、原価管理とは何でしょうか?

原価管理とは、言葉どおり「原価を管理すること」ですが、原価とは何か?管理とは何をすることなのか?と、そのような疑問をお持ちの方も多いのではないかと思います。

そこで、本コラムでは原価管理に関して疑問をお持ちの方と一緒に、原価管理について基礎から一緒に学んで行ければと思います。

原価と付く言葉にはさまざまなものがあります。製造原価、仕入原価、売上原価…など。
これら多くの言葉の意味を紐解きつつ、第1回目では原価とは何かを明らかにしたいと思います。

1. 原価の種類とその特徴

一般的に原価と言えば、製造原価を指します。まずは、製造原価とは何かを考えてみましょう。

製造業では、材料を仕入れ加工するなどして①「製品を製造」し、②「製品を販売」します。製造原価とは、①で発生する「製品を製造するためにかかった費用」のことです。

それでは、②で発生する「製品を販売するためにかかった費用」は原価になるのでしょうか?

はい。こちらもまた原価になりますが、製造原価ではありません。②の費用は、販売費と呼ばれる原価になります。販売費は「販売費および一般管理費」として、一般管理費とセットで扱われます。「販売費および一般管理費」は、営業費・販管費(販売管理費)などとも呼ばれます。販売費とは、販売するためにかかった費用のことです。

例えば、営業部門が販売したとすると、営業部門の人件費が該当します。製品を販売するために広告を出した場合は、広告にかかった費用が広告宣伝費として該当します。

それでは、「販売費および一般管理費」の一般管理費とは何でしょうか?

製造業では、①「製品を製造」し、②「製品を販売」する以外にも、③「会社を運営・管理」する仕事もしています。一般管理費とは、③で発生する「会社を運営・管理するのにかかった費用」のことです。
例えば、会社の運営に携わる役員がいれば、役員に支払う報酬が該当します。総務・経理・人事といった会社の管理に携わる部門の人がいれば、それら管理部門で働く人の人件費が該当します。その他にも、会社の福利厚生費などさまざまな費用が該当します。
「一般管理費」もまた原価になります。販売費および一般管理費は、製造業に限らず発生する費用になります。

2. 業種の違いによる原価

では、次に業種の違いによる原価について考えてみましょう。

製造業

製造業の原価は、「1.原価の種類とその特徴」で述べてきた通り、『製造原価+販売費および一般管理費』となります。

卸売業・小売業

卸売業や小売業では、製品を製造しません。
①「商品を仕入れ」て、②「商品を販売」します。この①で発生する「商品を仕入れするのにかかった費用」が、仕入原価となります。仕入原価には、仕入れ商品自体の金額のほか、輸送賃や手数料などが含まれます。
卸売業や小売業の原価は、『仕入原価+販売費および一般管理費』となります。

サービス業

それでは、もの売りをしないサービス業ではどうでしょうか?
サービス業では労務や技術などを提供します。サービスを提供するためにかかった人件費や経費などが、サービス業では原価の主体になります。
従って、サービス業の原価は、『販売費および一般管理費』となります。

3. 売上高に対する原価

では、最後に売上原価とは何かを考えてみましょう。

製造業では、販売した製品の製造原価が売上原価になります。卸売業、小売業では、販売した商品の仕入原価が売上原価になります。サービス業では、販売したサービスを作るのにかかった直接的な費用が該当します。例えば、サービスの提供を外部企業に委託していれば、その委託費用は売上原価となります。

ポイントは、販売した分の売上高に対する原価が、売上原価になるということです。売上高が増えれば売上原価も増える関係になります。売上原価とは原価の種類を表すものではなく、売上高に対する原価を、売上原価と呼んでいるだけなのです。

4. 結局の所、原価とは何なのか?

ここまで色々と説明して来ましたが、原価とは何かをまとめてましょう。

各企業では、業種・業態は違っても、付加価値のあるもの(製品・商品またはサービス)を生み出し、これを提供するために色々な活動を行っています。原価とは、これらの『付加価値のあるものを生み出す為の活動で発生した全ての費用である』と言えます。

如何でしたか。原価はいろいろな角度で分類されていますね。
次回のコラムでは、原価を分類別に内容を整理したいと思います。

Next:原価管理を学ぶ 第2回 「原価を内容別に分類する」

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