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突然ですが、個別受注生産とは何でしょうか?製造業に関わっている方であれば、一度は耳にされたこともあるかと思います。
「個別受注生産」というキーワードを検索した時、生産管理システム等のシステムに関する色々なサイトを目にすると思います。
これは、個別受注生産に関わる多くのシステムが存在し、個別受注生産という生産形態をとる場合にシステムで管理することが多く、製造業の方の関心が高いという表れではないでしょうか。
では、なぜ個別受注生産をシステムで管理するのでしょうか。
今回は個別受注生産の概要やシステムで管理することのメリットをお伝えします。
個別受注生産(ETO:Engineer to Order)とは、受注(注文)ごとの個別仕様に基づき製造する生産形態のことで、多品種少量生産を行う際に採用されることが多く、試作品などを製造する場合にも製造手法として採用されます。主に金型メーカー、試作品メーカー、専用機メーカー、重工業メーカー等の製造業で採用されています。
身近な例では、注文住宅がイメージしやすいと思います。
お客様から家の構想を受け、今後の段取りや住宅の間取り・仕様を決め、仕様書・設計図を作成します。作成した仕様書・設計図を元に必要な材料や人材の手配を行い、材料を組み立てて住宅を建築していきます。
この様に、注文ごとに仕様が異なり、個別に設計・製造を行っていく手法が個別受注生産です。
いかがでしょうか、個別受注生産のイメージは出来たでしょうか。
続いては、個別受注生産を行っていく上での管理方法などについてお伝えしていきます。
個別受注生産を行う場合の管理手法として、製番管理といわれる手法があります。製番管理とは、個々の製品ごとに製番(製造番号)と呼ばれる管理番号を付与し、その製番によって生産を管理する手法です。
先ほどの「注文住宅」を例にして具体的に説明をします。
まず、注文住宅を建てるにあたり、必要な作業は何かを考えてみます。
大まかな内容はこんな所でしょうか。
これらの作業をそれぞれ「手配」と呼びます。施工を行う業者に作業を手配する、仕入業者に部品を手配するといった感じです。製番で1つの製品を管理し、手配で1つの作業を管理します。例に挙げた様に、1つの製品では複数の作業が行われるので、1つの製番で複数の手配を管理することになります。
多くの注文を受ける企業では、注文の数だけ製番が必要となり、手配も考えると管理する情報はかなりの量になります。また、1つ1つの手配には、作業内容だけではなく、納期や原価など様々な情報を管理する必要があり、これらの情報を人の手で管理するというのは、とても大変な作業となります。
そこで、これらの情報をシステムで管理しよう!となるわけですね。
個別受注生産をシステム化した場合はどのようなメリットがあるのでしょうか?
作業指示や発注などの手配を行う場合、作業の内容・場所・時間や材料の種類・個数・金額など様々な情報が必要となり、これらの情報を手配一つ一つに対して設定し、作業担当者や業者へ依頼します。この手配する作業を、システムで製番ごとに一括で行えるようにしておけば、製番に紐づく多様な手配の依頼を一度で行うことが可能となります。
また、材料の在庫数をチェックする機能をシステム化しておくことで、手配後の在庫不足を未然に防ぐことが出来ます。
さらに、頻繁に登場する情報がある場合は、マスタ化しておく事で、同じ情報の入力を省くことができ、作業時間の短縮が可能となります。
手配した後に、各作業の進捗状況を確認する必要があります。そこで、手配の進捗状況をシステムで管理することにより、製番ごとの進捗管理が可能になります。どの作業で遅延が起こっているのか、どの作業がボトルネックになっているのかを把握することで、問題の早期発見に繋がり、すばやい対応が可能になります。
製造を行った場合、製品にどれだけコストが掛かったのか、利益は出ているのか等、製品の原価を把握するというのは、非常に重要なことです。原価は材料や部品の仕入値、作業委託した際の発注額、社内作業者の人件費など多くの情報を積み上げて計算する必要があります。手動で原価の計算を行うことは、かなりの時間を費やし、また正確性に欠けます。こういった複雑な計算はシステムを利用することで、正確かつ短時間での計算が可能となります。
この様に、システム化を行う事により、様々な状況をいち早く確認でき、在庫不足や発注漏れ等のミスを防ぐ事が出来ます。
また、手動での作業を減らすことで、作業効率のアップや作業者の負担を減らす事が可能になります。
いかがでしたでしょうか?個別受注生産に対するイメージや、システム化に伴う利便性などは分かっていただけたでしょうか。
個別受注生産をシステム化することで得られるメリットをいくつか紹介しましたが、最大のメリットとしては、人の手で管理するには難しい膨大なデータを一元管理でき、情報を正確に見る・知ることができることではないでしょうか。
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