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MRP(資材所要量計画)を導入されている企業は多いと思いますが、専用のソフトウェアを使用するのではなく、Excelなどのツールを駆使して独自の計算ロジックを構築されている企業も多いのではないでしょうか?
また、MRPを行うために大変な労力を費やしているという話もよく耳にします。
そこで、今回は製造業にとって切り離すことのできないMRPについて少し考えたいと思います。
まず、最初に一般的なMRPの流れを説明したいと思います。
営業部門からの販売計画や受注予測などの計画情報、受注の実績などを元に製造部門が生産計画を作成する。
設計部門や製造部門が製品や中間製品を構成する部品表を用意し、生産計画に基づき、製品や中間製品に必要な材料、部品の必要量(総所要量)を算出する。
計算された総所要量と現在の在庫情報に基づき、材料や部品の正味所要量と必要な日時を算出する。
正味所要量と必要な日時を算出することにより発注するべき内容が確定するので、発注から納品までのリードタイムを加味した上で調達部門が仕入先への発注を行う。
細かく挙げるとこれだけではないですが、簡単に説明をするとこの4つの流れになる感じです。
MRPは、在庫管理において非常に大きな役割を占めます。必要な材料や部品の数量を計算して、必要な分のみ調達することにより必要以上の材料や部品を在庫として置いておく必要がなくなります。実際には、調達に時間が掛かることから安全在庫を考慮して調達するので、完全に在庫をなくすことは難しいとは思いますが、無駄を減らすことは可能でしょう。
生産計画を加味することで、材料や部品を必要な時期に必要な分だけ調達することが可能となります。調達部門ではMRPの計算結果に頼ることで適正量での注文がし易くなり、納期の調整もより正確なものとなるので調達作業に掛かる時間が短縮されます。また、製造部門では材料不足による工程の遅延も減らすことが出来ます。
必要な材料や部品を把握することにより、顧客から要求された納期に間に合うように生産計画の調整が可能となります。これにより、機会損失が減少するという大きなメリットに繋がるのではないでしょうか。
上記に挙げた内容から「MRPを導入することによるメリットが大きい」というのが、MRPが必要な理由ではないでしょうか。
逆に言うと「MRPを導入しないと企業活動に支障をきたす」と言っても過言ではないでしょう。
それでは私が今まで携わってきた案件から、MRPを導入するうえで特に注意するべき点を考えてみました。
構成部品の必要量やリードタイムなど正確性が重視される情報を収集して整備するハードルが高く、製品数が多ければそれだけ整備に時間と労力が掛かります。
製品仕様の変更や生産計画日、生産予定数の変更などにより、MRPは繰り返し実行されます。この為、生産に関わる全ての部門に対して変更情報を速やかに連携することが必要となります。
ここまで見てきたとおり、MRPのメリットは大変大きいものです。多くの企業の悩みを解決する手段の一つであり、なくてはならないものといっても過言ではありません。
ただ、導入に際して生産現場など各部門との調整が大変だということもありますし、業務の見直しも出てくるでしょう。それだけに反発も多いですし、運用できるまで時間がかかります。まずは、各部門の課題が解決するのだというメリットとデメリット、MRP全体の流れを全部門で認識したうえで慎重に導入するべきだと思います。
また、MRPは1部門だけで完結する代物ではありません。各部門から情報を集めて初めて利用価値が出てくるものです。特定の担当者の経験や勘に頼ってばかりいては属人的なあいまいさや人的ミスにもつながります。
昨今の多様化する市場ニーズに応える為にも、手順化・定型化・自動化の観点から専用ソフトウェアによる管理が必要ではないでしょうか。
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