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2016年11月14日

3つの構成を押さえて解決!!会計が苦手な方でも学び直せる「企業会計原則」のまとめ

皆さんは、普段の社内での会計業務をどのように管理しているでしょうか。
経理部や業務の担当者に丸投げ?営業企画担当のマネージャーにお任せ?
それとも、営業部門のマネジメント自らが会計システムを使いこなし、計数管理も行っていますか?

企業活動においては、日々様々な業務が行われますが、中でも最も重要な経営指標のもととなる「会計」に関しては、具体的に「どのような仕訳を起こすのか」という点について、会計士等の専門家でない限り、普段の業務範囲外では自信がないところでしょう。

そこで今回は、「会計」が苦手でも、専門家を目指さない方でも学び直せる「企業会計の原則」について、押さえておきたい3つの構成をもとに整理してみました。

■「企業会計原則」とは?

すべての企業が会計処理を行う際に、必ず従うべき会計の指針があります。
それが、「企業会計原則」です。
多種多様な企業が営業活動を行い、会計処理を行っている状態の中で、会計基準のばらつきを防ぐべく、同じ基準をもって比較できるようにと定められたものです。

企業原則は「一般原則」「損益計算書原則」「貸借対照表原則」の3部構成からなっています。
では、今回は各企業における会計の基本になる企業会計原則の内、一般原則の内容について触れてみましょう。

■企業会計の原則について

企業会計原則を学ぶ

①真実性の原則

規定「企業会計は、企業の財政状態および経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

これは、企業側が作成する財務諸表が取引事実に基づいているものでなければならない、ということを指しています。
但し、具体的な会計処理を指定していないことからも、それは絶対的である必要はなく、ある程度相対的で良いとされています。
例えば、減価償却では複数の方法があり、どれを選択するかは自由ですが、その償却度合や現在価値については変わらないようにする必要があります。
このように、具体的にどの方法を使用して会計処理を行うかは企業が選択できますが、その本質が変わらない程度の正確さが必要とされています。

この「真実性の原則」は、企業会計における最高規範とされ、後の6項目にも共通することです。

②正規の簿記の原則

規定「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない

規定の言葉通り、一定の満たすべき要件に則った、正確な会計帳簿の作成するよう、求めるものです。
また、当然ながら会計帳簿に留まらず、それを基にした正確な財務諸表の作成も求められます。
満たすべき要件については、「網羅性」、「立証性」、「秩序性」の3つを指します。
一般的に企業会計は、この、網羅性、立証性、秩序性の3つを満たしていることが必要だと捉えられています。
これらを満たす会計帳簿として、複式簿記の会計帳簿が最適であることから、規定中の「正規の簿記」には複式簿記が該当するという解釈が一般的です。

③資本取引・損益取引区分の原則

規定「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金、利益剰余金とを混同してはならない。

この規定は、資本取引とそれ以外の取引を区別し、混同しないことを要求しています。
企業会計での利益は期首、期末の自己資本の比較によって把握されますが、自己資本の増加は損益取引によるものだけでなく、自己資本自体の増減によるものもあり得るため、こういった規定があります。
また、自己資本は株主等から得た拠出資本と過年度の利益を基にした留保資本で構成されているので、拠出資本の把握を可能とすべく、それぞれを区別することも求めています。

④明瞭性の原則

規定「企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

財務諸表は、会社が債権者や株主等の利害関係者に対して、意思決定の判断材料になるように財務内容を伝達することを目的として提供するものです。
そのため、その中に誤った情報や、誤りを誘導するような情報が入ってならず、明瞭性の原則が必要になります。

⑤継続性の原則

規定「企業会計は、その処理の原則および手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

企業が複数の会計処理や原則の中から自由な採択を認められている場合に、一度採用した方法は原則的に継続し、適用することを求める規定です。
継続して適用されない場合、財務諸表の期間比較が困難になりかねず、明瞭性にも関わることになります。
但し、正当な理由であれば会計処理の変更も認められます
そしてそういった場合でも以降はその方法を継続することを要求されます。

⑥保守主義(安全性)の原則

規定「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

企業が安全を保持し、事業活動を長く継続させていくためには、予期せぬ事態に備えた準備をしておくことも必要になってきます。
この原則は、そういった将来の危険に備えるための保守的な会計処理も行うよう、求めるものです。
但し、あくまで適切な範囲内で認められるものであり、過度なものであってはなりません。

⑦単一性の原則

規定「株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等、種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。

企業は様々な目的のために異なる形式の財務諸表の作成が必要になりますが、そういった場合でも、基になる会計帳簿は単一でなければならないことをこの原則では指しています。

【まとめ】

企業が事業活動を行うにあたり、このような企業会計の原則を満たした会計処理の実施が求められています。
ある程度処理方法に自由な部分はあれど、取引事実に基づいた正しい内容で単一な会計帳簿を作成し、それを基にして利害関係者に正しい情報を与えられるよう、適切な財務諸表を作成する必要があるのです。
このように企業会計の内容は少し難しく、理解しがたい部分があるかも知れませんが、知っておくに越したことはないと思います。
こういった意識を持つことで、これまでとはまた違った視点で会計について考えることができるではないでしょうか。

15年前からERP導入に携わっており、2010年よりGRANDITパートナー企業として、提案から導入までサポートさせていただいております。
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