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2017年3月17日

迷う必要なんてない!システム導入の3つの選択肢

こんにちは!アイ・エス・アイソフトウェアーの八木です。
システム導入における最初にして最大の選択肢、どういった媒体のシステムを導入するかについて、皆さん大変悩まれていることだと思います。今回はそのヒントになればというテーマで書かせていただきます。

システム導入の選択肢

システム導入における選択肢は次の3つにわかれます。

  1. 既製品のパッケージをそのまま標準導入する。
  2. 既製品のパッケージをカスタマイズ導入する。
  3. スクラッチで一からシステムを構築して導入する。

この3つの内、どれが自社の導入したいシステムにマッチしているかを検討する必要があるのですが、いずれもメリット・デメリットが存在しています。いずれのメリットが自社に都合がいいか、ポイントを紹介しますので順に見ていきましょう。

パッケージ標準導入

最近導入事例が多くなってきました。その最大のメリットは初期投資としてのコストがハード費用を除けばライセンス費用だけですむことでしょう。また、導入までの期間が短いのも魅力です。
二つ目のメリットは、業務を標準化できるということです。パッケージシステムは標準的な業務の流れにそって作られているので、自社の煩雑になっている業務をシステム導入を機に標準化できるということです。この場合、自社の業務運用をパッケージに合わせる(変更する)という方法が取られます。

デメリットとしては、標準に合わせる為に業務運用を変更する際の慣れや労力に手間と時間がかかるという点になります。この部分は時として標準導入の失敗に繋がります。失敗に繋がる理由として多くのパッケージ標準導入の事例で、会社の経営層が上記のメリットを掲げて標準導入するという指示をトップダウンで強引に進める傾向にある点です。しかし実際にシステムを利用する社員としては「そうは言っても業務が回らない」と反発しシステムへの不信へと繋がるのです。
費用面としては実はデメリットもあり、導入するシステムによっては年間のライセンス料などランニングコストがかかってくるという点です。ライセンス料の体系がややこしいのも問題ですね。ユーザーライセンスだったり、同時接続数ライセンスだったりよく確認しておかないと受注後に想定外のライセンス費用がかかるなんて話はよくあります。これはカスタマイズの場合でも同じです。

そしてもう一つデメリットがあるのですが、それは業務が標準化されるという点です。あれ?さっきはメリットだって書いてたけどこのブログの作者血迷った?と思われるかもしれませんが、私は大丈夫です。これについてはパッケージカスタマイズ導入のところで書かせて頂きます。

実際どういったシステム導入に、標準導入が適しているか。これは、会社の業務の一部分をシステム導入する(顧客管理だけなど)際に向いています。それは業務変更点のインパクトが最小限に抑えられるからです。
また、経理業務などある程度法律などで縛られるような業務は、イレギュラーな業務が少ない上に法に準拠した業務の流れに標準化できるので摘要しやすいでしょう。

パッケージカスタマイズ導入

今一番導入事例が多いのではないでしょうか。メリットは標準導入には及ばないものの一からシステムを作るよりは費用が抑えられる点です。
もう一つが概ねの業務を標準化にしつつ自社の優位性を残せる点です。これが標準導入との大きな差となります。
先程、標準導入でのデメリットに業務の標準化があると書きました。これは、その標準化の為に変えようとしている業務について、それによって自社の優位性が消えてしまいませんか?ということを危惧したデメリットになるのです。何でもかんでも業務を標準化する必要は無いのです。その特殊な業務のおかげで納期が縮んでいるのではないですか?良い品質の商品を提供できているのでは?そういった自社の優位性を保つ業務を変える必要は無いのです。その部分を費用をかけてでもカスタマイズすればよいのです。

さてデメリットですが、複雑なカスタマイズやアドオン(機能追加)をすることで、費用がかかる点とその部分に問題が発生しやすい点です。パッケージはもう既に作られた製品なのでもちろん作った人が一番パッケージの仕様に精通しています。しかし実際システム導入プロジェクトにおいて、ベンダーの自社パッケージを除き作った人がシステムに参画することはほぼありません。海外の製品ならなおのことです。多くのプロジェクトでは導入経験が豊富な人が参画するレベルに留まるのです。簡単なカスタマイズならまだしも複雑になるとその導入経験が豊富というレベルでは対応出来ない事や見落としてしまう事柄が稀に発生し、その部分が問題になってしまうのです。そういった場合に開発元に問い合わせるといった事もできますが、回答レスポンスなど別の問題も発生します。

カスタマイズ導入が適用しやすいパターンですが、あまり特殊な業務が少ない業界の基幹システムとしての導入が最適でしょう。ある程度の標準化と自社の優位性も保てます。

スクラッチ

最後にスクラッチのシステム構築です。スクラッチとは一からシステムを構築するオーダーメイド型のシステム開発ですが、近年随分と減ってきました。理由としては、やはり費用面でしょう。上2つに比べて初期投資として一番お金がかかります。これがまず第一のデメリットです。
もう一つ先にデメリットを挙げるとすると、導入までに時間がかかるという点です。一から設計していきますからね。

メリットとしては、スクラッチならではの自社の業務に合わせたシステム作りが挙げられます。先程自社の優位性にかかわる業務は残すという話をしましたが、そもそも全て残すのですから、お客様は操作感の慣れなどはありますが基本的にやりやすい業務運用、自社の優位性を最大限発揮するシステムを使うことができます。
また、パッケージと違いプロジェクト内にシステムを作った人、精通した人がいるのもメリットです。作った本人なので当然といえば当然ですが。
初期投資以外にあまり費用が発生しない場合もメリットです。年間ライセンス料やユーザーライセンス料など煩わしい事からもおさらばです。

この導入の仕方が向くのは、やはり業態的に特殊な業務が多い業界や、利用ユーザーなどが多くライセンスなどのランニングコストが大きくなってしまうような場合に適しているといえます。また、初期投資がかかるので体力のある会社というのもポイントです。

まとめ

最後に、メリット・デメリットを整理してみましょう。

パッケージ標準導入

メリット:初期投資が安い、業務の標準化、短期間での導入
デメリット:業務変更に伴う手間、自社の優位性の消失、ランニングコストが高め
推奨:一部の業務に限る導入、法律的な制約が多い業務

パッケージカスタマイズ導入

メリット:初期投資がある程度抑えられる、最低限必要な業務を残せる
デメリット:複雑なアドオン・カスタマイズによる費用増、パッケージに精通したエンジニアの確保が難しい
推奨:特殊な業界でない業務の基幹業務

スクラッチ導入

メリット:自社の業務変更への負荷が低い、システムに精通したエンジニアの確保が可能、ランニングコストの低さ
デメリット:初期投資金額が多い、導入に時間がかかる。
推奨:自社の業務にマッチしたシステムを導入したい企業、体力のある企業

今まで挙げたメリット・デメリットはもちろん例外はありますが、導入の方針によって特徴があるのは事実です。
みなさまの自社の業務、やりたいことと照らし合わせながら、最適な導入方針を導くヒントになれば幸いです。

パッケージ導入をされる際はしっかりとパッケージ同士を比較・検討をすることをお薦めします。
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入社以来10年以上製造業向けのシステムに携わる。長く製造業を見てきた経験を活かし上流工程のSEとして活動中。
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