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環境を超えたデータ統合!iPaaSについて

  • IT用語解説

様々なサービスやシステムを連携できることから、DXを推進するサービスとして注目されている「iPaaS」をご存じですか?

「データが存在する場所がばらばらで管理が大変」「サービスやシステムを連携させて業務効率化を促進させたい」などとお悩みの方は、ぜひこの「iPaaS」についての記事を読んで「データ統合」や「システム連携」をもっと身近なものだと感じていただければ幸いです。

1. iPaaSとは

iPaaS(アイパース)は、「Integration Platform as a Service」の略で、「統合プラットフォーム」と訳されます。

iPaaSは、複数のシステムを連携し、あらゆるサービス同士を繋げることで、業務自動化を実現させます。

クラウド同士の連携はもちろん、オンプレミスなシステムとクラウドサービスをも連携させることができます。

またiPaaSはシステムを連携させるだけでなく、アプリケーション同士を繋げたり、データを統合させることも可能です。

2. iPaaSが登場した背景

様々なシステムやサービスの管理が、オンプレミス環境から、コストや利便性を考慮しSaaSといわれるクラウドサービスへとハイスピードで移り変わってきています。

オンプレミスな環境とクラウドサービスが入り混じる中で、その二つを連携させることができるサービスというものがありませんでした。

システムをクラウドサービスに乗り換えてしまうと、オンプレミスで管理していた時のデータが欲しくとも手に入れることは不可能に近いとされていました。

そのため、オンプレミスなシステムに蓄積された膨大なデータをなかなか手放すことができず、クラウドサービスに乗り換えられないという企業が数多くいました

そこで、オンプレミスとクラウドサービスの連携ができる「iPaaS」が登場しました。

iPaaSを利用すれば、既存のデータを無駄にすることなくクラウドサービス上で新たに活用することができるようになりました。

3. EAIやETLとの違い

データを統合するシステムといえば、「EAI*」や「ETL**」があります。

EAIは「Enterprise Application Integration」の略で、リアルタイムかつ高速に、データ連携ができるサービスのことです。

ETLは「Extract・Transform・Integration」の頭文字を取ったもので、主に分析を目的としたデータの抽出・変換を行った後に出力処理をするサービスのことです。

iPaaSは広い概念としての「データ連携・統合基盤サービス」を意味します。

つまり、iPaaSの中に「EAI」や「ETL」というサービスが入っているイメージです。

*EAIについてはこちらの「システム連携の要となるEAIツールの4つのメリット」をご覧ください。

**ETLについてはこちらの「自動でデータ統合が可能!?「ETL」ってなに?」をご覧ください。

4. iPaaSのメリット

過去のデータを活用できる

サービスを移行した後、過去に使っていたアプリケーションやシステムに大事なデータや欲しいデータが残っているが、取り出せないというケースがあるかと思います。

iPaaSを活用することで、過去のデータを最新のアプリケーションに移行することができるので、たとえ現在使っていないサービスの中にあるデータでも活用することができます

データの一元管理ができる

現在使っているサービスのデータであっても、管理しているシステムやアプリケーションがバラバラだとデータを活用するのは大変です。

iPaaSを使えば、別々のシステムやアプリケーションで管理しているデータでも一元化することができます

活用したいデータをそれぞれのシステムやアプリケーションごとで確認する手間が省けるので、業務効率化に繋がります

異なるシステム間のフローを繋げられる

iPaaSは、異なるシステム間のフローを繋ぐことも可能です。

例えば、タスク管理ツールでAというタスクに完了チェックを入れると、コミュニケーションツールで「Aというタスクが完了ステータスとなりました」というメッセージを自動的に流すといった動作をさせることができます

5. iPaaSの活用例

iPaaSが実際に活用されている例を「マーケティング部門」「セールス部門」の2つに分けてご紹介いたします。

マーケティング部門

KPIレポートのダウンロードからSlackやteamsなどにチャットで自動共有させることで、データ取得と共有の手間を削減できました。

データ取得と共有にかかっていた時間を、分析や施策立案にまわすことで、よりきめの細かい分析ができるようになりました。

セールス部門

社内からしかアクセスできないシステムに、社外でも使えるチャットツールを連携し、営業担当者に出先で営業直後の鮮度のいい情報を登録させることに成功しました。

iPaaSは、クラウドサービスとクラウドサービスまたはオンプレミスな環境とクラウドサービスを連携することができる「統合プラットフォーム」です。

データを統合することはもちろん、異なるアプリケーション同士のフローを繋いだり、システムを連携させることも可能です。

iPaaSの種類として存在する「EAI」や「ETL」については、弊社ISIでも取り扱っているので、興味を持っていただけた方は、こちらのページもあわせてご覧ください。