毎回会議がふわっとしてしまう、結論が毎回似たようなことになってしまう、なかなか自分の意見が出せない、新しいアイデアが出てこないなど、会議を有効に使えていない企業が多いのではないでしょうか?
会議の目的がそもそもふわっとしてしまっていることが原因となっている場合ももちろんあるとは思います。
しかし、会議の目的がしっかりと明確になっているのに会議が上手く進まない場合、アイデアの出し方を変えてみると上手く行くかもしれません。
そこで今回は、アイデア発想法の1つである「ブレインストーミング」ついて、基本的なことから、注意点や実際の手順をご紹介いたします。
ブレインストーミングとは
ブレーンストーミングやブレストとも呼ばれることのある「ブレインストーミング(BrainStorming)」は、会議や企画立案など新しいアイデアが必要となった際に使われる手法で、ブレイン(脳)とストーム(嵐)という名前の通り、脳に嵐を巻き起こし、多様なアイデアを発掘していくことを目的としています。
複数人で同じ課題を解決するために自由にブレインストーミングを行うことで、今まで思いつかなかった素敵な新アイデアが生まれるのはもちろん、参加者同士の交流が深まったり、思考する視野が広がるなど様々なメリットがあります。
ブレインストーミングは会議でよく活用されますが、個人で何かを考える際に活用することもできます。
先ほど「自由に」ブレインストーミングを行うとお伝えしましたが、とにかくはちゃめちゃにアイデアを出せばいいという訳ではありません。
ブレインストーミングはアイデアを出すための手法なので、具体的なルールややり方が存在します。
ブレインストーミングのルール
ブレインストーミングを行う際のルールをご紹介します。
ブレインストーミングのルールは主に4つあります。
アイデアを批判しない
まず1つ目は「アイデアを批判しない」ことです。
複数人でブレインストーミングを行っていると、たくさんのアイデアが出てくるため、もちろんその中には実現不可能なアイデアもあるかもしれません。
実現不可能なアイデアが出てきてもそのアイデアに対して批判をしてはいけません。
そのアイデアが採用されないとしても別のアイデアに発展する可能性があるため、実現不可能だと思われるアイデアを活かせる方法がないか検討してみましょう。
アイデアを組み合わせてみる
2つ目は「アイデアを組み合わせてみる」ことです。
アイデアがある程度出た後は、それぞれのアイデアを組み合わせて新たなアイデアを生み出し問題解決できないかを考えてみましょう。
質より量を意識する
3つ目は「質より量を意識する」ことです。
アイデアを組み合わせるためには数多くのアイデアが必要です。
ブレインストーミングでは1つ1つのアイデアの質を考えるのではなく、まずは大量のアイデアを出してみるようにしましょう。
ブレインストーミングでアイデアが批判されることはないはずなので、とにかくアイデアを出しましょう。
途中で勝手に判断しない
4つ目はアイデアを「途中で勝手に判断しない」ことです。
先ほどお伝えした質より量に似ていますが、アイデアを出している最中に考え出したアイデアが良いのか悪いのかを勝手に判断してはいけません。
繰り返しになりますが、ブレインストーミングでは数多くのアイデアが必要です。
とはいえ、最終的にアイデアを判断・決断する必要があるかと思います。
ブレインストーミング後に結論をまとめるようにしてみましょう。
ブレインストーミングを成功させるには
次に、ブレインストーミングを成功させるために必要となることを2点ご紹介いたします。
問題を明確にする
ブレインストーミングを行う際には、目標を明確にしておく必要があります。
ブレインストーミングは問題を解決に導くためのアイデア発想法なので、そもそもの問題や課題、またそれに伴うゴールがあやふやだと効果が発揮されません。
たとえば、「売上アップするにはどうするか」という課題だと、ざっくりしすぎです。
「全社売上を前年比150%にするにはどうすればいいのか」など、目標をより具体的にし、ブレインストーミングに参加する全員に解釈の余地が発生しないようにしましょう。
アイデアを記録をする
ブレインストーミングはやりっぱなしで終わると失敗してしまうことがあります。
数多く出たアイデアから結論を導き出すとき、必ず今までに出たアイデアが必要となります。
発表されたアイデアは紙でもパソコンでもなんでも大丈夫なのでできるだけ記録しましょう。
ブレインストーミングの進め方
次に、ブレインストーミングを実際に行う手順をご紹介いたします。
手順1. 問題とゴールを明確にする
まずは、ブレインストーミングで解決したい問題や課題を明確にします。
先ほども言いましたが、ブレインストーミングを成功させるためには「問題を明確にすること」が大切です。
ブレインストーミングで解決に導きたい課題をより具体的にしておきます。
手順2. 司会と記録係を決める
次に、司会者を決めます。
ブレインストーミングのルールのところでもお伝えした、出てきたアイデアに対して批判がないかどうかや、時間が超過し過ぎていないかなどをコントロールするために司会者(ファシリテーター)を決定します。
また、ブレインストーミングで出たアイデアや意見、結論をまとめることも必要であるため、そのための記録係も決めておきます。
司会と記録係は、ブレインストーミングには参加できないことが多いので注意してください。
手順3. 参加者招集
ファシリテーターが決まれば、次は参加者を招集します。
ブレインストーミングは、10人以下で行うことが一般的です。
部門や役職のみで構成してしまうと、年齢や性別で偏ってしまいぞれぞれから似たようなアイデアが出てきてしまうかもしれません。
年齢・部署・性別・経験などで絞らず、さまざまな層から参加者を集めます。
手順4. 時間内でアイデアをとにかく出す
ここから実際にブレインストーミングを行っていきます。
制限時間を設定したうえで、ブレインストーミングを実施します。
一般的には5〜10分程度アイデアを考える時間とすることが多いです。
時間に制限を設けないと、参加者の集中力が切れてしまったり、アイデアを出しつくした参加者が時間を持て余してしまいます。
もし制限時間が足りず、伸ばすことになった際には途中で休憩を入れるようにしましょう。
手順5. アイデアの共有・創作
参加者それぞれでアイデアが出きったら、アイデアを共有していきます。
アイデアの共有が終わればそれぞれのアイデア同士を組み合わせて新たなアイデアを生み出せないかを考えます。
一般的にはアイデアの共有やその組み合わせ、結論付けを10~20分程度で行うことが多いです。
この作業を通して、参加者から出たアイデアに新たな視点を付け加え、新たな発想につなげられればブレインストーミングは大成功です。
ブレインストーミングのメリット
次に、ブレインストーミングのメリットをご紹介します。
新しいアイデアの発見
アイデアを組み合わせたり、より良いアイデアを導き出すには、アイデアの数が重要です。
ブレインストーミングでは出てきたアイデアへの批判はNGであるため、普段の会議では否定されるのが怖く、意見をなかなか発信できない人でも、ブレインストーミングの場でならアイデアを出すことができます。
ブレインストーミングでは多種多様なアイデアが出てくるので普段のディスカッションよりも素敵なアイデアを発掘できるかもしれません。
メンバーの団結力アップ
一般的なディスカッションの場合、相手の意見を強く批判する場面が多く、雰囲気が殺伐としてしまうことがあります。
一方ブレインストーミングでは、相手の意見を否定せず、より良く発展させることを目指すため、参加者間の関係性向上や一体感を得られるようになります。
補足:他のアイデア発想法
ブレインストーミングを単独で行う場合、どうしてもアイデアの発想に行き詰ってしまうことがあります。
ブレインストーミング以外にもアイデア発想法は存在します。
そこで今回は補足として、ブレインストーミングに行き詰った際に活用できるかもしれないアイデア発想法2つをご紹介いたします。
マンダラート
まず1つ目は「マンダラート」です。
マンダラートではまず、図のような3×3の9マスを作成します。
真ん中の9マスの中央に考えるテーマやキーワードを書き、その周りのマスに中央のテーマやキーワードから連想することを1つずつ書いていきます。
8マスが埋まったら、埋めた8つのワードをそれぞれ中央に置いた9マスのものを周りに作成します。
そしてまた、初めと同じように、それぞれの中央にあるテーマやキーワードから連想されるワードを書き出します。
マインドマップ
2つ目は「マインドマップ」です。
マインドマップでは、真ん中にメインとなるテーマを書き、そのテーマから木の枝のように連想するワードを書き出していきます。
マンダラートと似ていますが、マインドマップはマンダラートと違いフレームがないため、自由に発想していくことが可能です。
さいごに
今回は、より良いアイデアを発掘するための手法「ブレインストーミング」をご紹介いたしました。
複数人で行うブレインストーミングではとにかくアイデアをたくさん出すため、アイデアの批判はしないなどのルールが定められており、誰しもが意見を発信できる場にすることができます。
それでもまだ意見を発信できない人がいる場合、匿名でアイデアを出してもらうなど工夫をしてみてもいいのかもしれません。
いつものふわっとしている会議をグッと引き締めた内容にしたい、新たなアイデアが出てこず行き詰っている等といったときは、ぜひブレインストーミングを試してみてはいかがでしょうか?
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