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BAとBIの違いを徹底解説!未来予測の力を活用しよう

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ビジネスを可視化できるBIという言葉はかなり普及してきました。

では、「BA」という言葉をご存知でしょうか?

BIとBAのBはどちらも「Business(ビジネス)」のBで、どちらもビジネスを分析するために活躍しますが、両者はどう違うのでしょうか?

今回は、BIとは一味違うビジネス分析方法「BA」についてご紹介いたします。

BAとは

BAとは、「Business Analytics(ビジネス・アナリティクス)」の頭文字を取ったもので、ビジネスを分析することです。

BAでは「過去」と「現在」の分析結果をもとに、より細かな分析を行い「未来」を予測、課題解決を効率的に行います。

未来予測に大きな強みを持っているため、企業にとっても、よりスピーディーな意思決定や正確性のある課題解決を効率的に行うことができるのではないかと期待されています。

BAとBIの違い

BAと似た言葉に「BI*」があります。BAとBAは言葉だけでなく意味も似ていますが、それぞれどう意味が違うのでしょうか?

まずはBIについて説明します。

BIとは「Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略で、企業が蓄積した膨大なデータを収集・分析・加工し、経営戦略のための意志決定を行うサポートを目的としています。

一方BAの目的は、ビジネスの意思決定そのものです。

つまり、BIを用いて「過去」のデータを可視化、そのBIをもとにBAで「未来」を予測し意思決定をする流れとなります。名称未設定-1

もっと簡単に言うと、BIを用いたとしても最終判断は人の考えなのに対し、BAでは最終的な意思決定をコンピュータが導き出します。

*BIについてはこちらの「データの可視化で意思決定をサポート! 「BI」についてとそのメリット」をご覧ください。

BAに欠かせない「DELTA」とは

BAを成功させるために必要だと言われている要素が5つあり、「DELTA」と呼ばれています。

DELTAは「Data」「Enterprise」「Leader」「Target」「Analytics」の頭文字を取ったもので、この5つの要素がBAを行うに当たり重要です。

では実際に5つの大切な要素について1つずつご紹介していきます。

Data

まずは、「Data」です。

BAを行う前準備として、質の良いデータを集める必要があります。

他社とは異なるデータを保有していれば、企業独自目線でのアイデアが生まれるかもしれません。

Enterprise

2つ目は「Enterprise」です。

企業または組織全体で分析を行うために、部門や担当者がバラバラに管理してしまっているデータも全て統合する必要があります。

データを統合し分析を行うことで分析の偏りをなくすことができるため、より正確な意思決定につながります。

Leader

3つ目は「Leader」です。

データ分析時の意思決定を行うリーダーが必要となります。

Target

4つ目は「Target」です。

データ分析を行うにあたって、分析パターンが多数出てきます。

すべての分析パターンを試すのは時間の浪費につながり非効率的です。

あらかじめ目的となる分析対象を決定し、途中で分析をぶれないようにします。

Analyst

最後5つ目は、「Analyst」です。

ビジネス「アナリティクス」なので、もちろん分析を行うアナリストが必要になってきます。

近年、収集できるデータが膨大になっています。

その種類も量も膨大なデータの中から必要な情報を選び分析できる高度なアナリストが分析を成功に導きます。

まとめると、BAを行う際には、なるべく質の良いデータを部門や個人から集め統合し、分析対象がぶれることないよう意識することが大切です。

BAのメリット

リアルタイムな経営分析が可能

BAを活用することで、仕入や売上、人件費、在庫など経営資源に関わる様々なデータをリアルタイムに把握する事ができます。

経営層はもちろん、営業やマーケティング担当など社内の様々な立場の人が分析データをリアルタイムに確認することで、市場や顧客の動向変化にいち早く対応することができます。

意思決定の質・スピードを高められる

BA最大のメリットと行っても過言ではないのが、質の良い意思決定を素早くできることです。

経営資源のリアルタイムな把握に加え、BAの予測機能から近い将来起こりそうなことを掴むことができるようになり、素早い意思決定の手助けになります。

かつて経営層の経験や勘を頼りにしていたところから、データを使った客観的な視点で物事を考えられるようになります。

部門ごとへの活用が可能

BAは経営判断といった全社に関わる分析をするとお伝えしてきましたが、それだけではありません。

BAで分析・予測したデータを部門ごとで活用することも可能です。

営業部門やマーケティング部門では、BAの顧客分析を活用することにより、新商品の開発や施策の打ち方に力を入れることができます。

BAの活用シーン

クレームの予測と回避策提案

顧客から届いたクレームデータを分析することで、今後どのようなクレームがどのタイミングで来るのかを予測することが可能です。

クレームの対処方法について事前に応対担当者と共有し、事前にサービスの改善を行うことで、顧客満足度を高める効果が期待できます。

BAはデータさえあれば、数値だけでなく、人の感情も解析することができるため、様々な分野での活躍が期待できます。

商品の品揃えや新サービスの提案

売り上げデータや顧客の声、世間的に流行っている商品情報をSNSなどのオープンデータから収集することで、将来のトレンドを把握し、需要を予測することできます。

需要を予測することができれば、店舗の在庫計画や人員配置を適切に行うことができ、効率的な販売につながります。

また販売予測から予測にあった特典を付与することで、相乗効果が生まれやすくなります。

さいごに

今回、BIとは一味違う「BA」についてご紹介いたしました。

BIでは蓄積されたデータを可視化し、ビジネスを分析し、そのBIをもとにBAで「未来」を予測し意思決定をします。

BAはリアルタイムな経営分析はもちろん、トレンド予測やクレーム対策、新サービスを考えるのに役立ちます。

BIだけでなく、BAも活用したより高精度な経営分析をしてみてはいかがでしょうか?