ISIT

「CRM」導入によるメリットと注意点とは

前回の記事で、CRMとは何かという話題について触れ、ご紹介しました。

今回は、実際にCRMを導入したいと考えている方に向けて、CRM導入でどのように業務が改善されるのか、また、導入する際に気を付けなければならないことは何なのかをご紹介いたします。

1. CRM導入による業務改善例

CRMの導入前と導入後で業務がどのように改善されるのかを比較してみます。

Excelで顧客管理を行っている場合

・ケース1

before

1人が顧客情報の登録・編集を行っている際、他の人が同時に同じExcelシートを編集することができない。

after

CRMでは、複数人が同時に顧客情報を編集することができることから、「編集したいが他の人がExcelを開いているから編集できない」という状況がなくなり、業務効率化が見込まれる

・ケース2

before

使える関数や、技術が限られているため、様々な角度から顧客情報を分析することができない。

after

CRMによっては、問い合わせに関して1回目なのか、2回目なのか、確度が高いリードなのかなど振り分けることができる機能や、どこから流入してきたのかなどがわかるものもあるので、導入前までは確かめることのできなかった角度から分析することができる

部署ごとで顧客管理を行っている場合

・ケース1

before

顧客情報や案件に関する情報が部署ごと、または製品ごとで管理されている。また、連携が上手くできておらず、連携に時間がかかってしまう。

after

一箇所に情報をまとめて蓄積していくことで管理方法が統一され、複数部署にまたがり同じ情報を共有できる。

顧客情報を複数部署で共有することにより、社員全員で把握することができるので、リピート顧客に対して、新規顧客のように対応してしまうなどのミスを防ぐことができる。

・ケース2

before

部署ごとで管理している顧客情報の項目がばらばらなので、連携する際に欲しい情報が抜けてしまっている。

after

顧客情報の項目を統一し、管理していくことで、顧客情報の抜け漏れを防ぐことができる。

・ケース3

before

社内の端末からしか顧客情報を編集できないので、出先から顧客情報を登録することができず非効率だ。
また、顧客獲得後すぐに情報の登録ができないため、登録する頃には情報の鮮度が落ちていたり、抜けていたりする。

after

いつでもどこからでも、CRMに接続することができるため、移動の間や休憩の間など隙間時間の活用が可能になる。

また、その都度情報を入力していくことで、抜けや漏れのない正しい情報を蓄積することができる。

問い合わせ対応管理がバラバラな場合

before

どこから新規顧客が流入し、どういった問い合わせ内容を受けたのかが、ばらばらに管理されているため、類似問い合わせであっても気づくことができない。

after

問い合わせをCRMで一元管理することにより、問い合わせ内容にどういった傾向があるのかを把握できるようになる。
また、問い合わせに対する返答も管理できるので、過去の問い合わせと類似している問い合わせが来た際には、過去の返答を参照することができる

頻繁にくる問い合わせを把握し、FAQなどを作成することで、問い合わせ数の減少による業務改善や、顧客満足度の向上を見込むことができる。

2. CRM導入時の注意点

次は、CRMを導入する際に気を付けなければならないポイントをご紹介いたします。

すぐに効果が出るわけではない

CRMを導入したからといって、すぐに商談率や売上が伸びるわけではありません。

CRMは、あくまで顧客情報を管理するためのツールなので、顧客データを蓄積し、「Webサイト上での顧客の行動パターン」や「年代や役職などの顧客の属性」などを分析し、戦略に落とし込むことで活かされます。

導入する際には、CRMが長期スパンで力を発揮することをそれぞれ担当者に理解してもらう必要があります。

目的が曖昧になってしまう

CRM導入にあたり、目的と効果を明確にしておく必要があります。

目的については、売上向上なのか、満足度向上なのか、分析のためかなど、将来を見据えた具体的なものにしましょう。

また先ほども述べたように、CRMはすぐに効果が期待できるものではないので、PDCAサイクルの効果を測定する期限を設けて、定期的に見直しましょう

部署単独で導入の決断をしてしまう

管理者層の判断のみでCRMの導入を決定し、現場で活躍している人にいきなり「CRMを使ってくれ」といっても、実際にCRMを使う人が目的を理解していなければ正しい顧客データの蓄積ができない可能性があります。

現場で活躍している人に何も事情を説明せずに導入を進めてしまうと、現場では、顧客データの登録が面倒だし、仕事量が増えると感じられてしまい、必要なデータが十分に集まらないでしょう。

まずは導入の目的や、メリット、長期スパンでしか効果が見れないことなどを説明し、理解してもらったうえで、上手く活用しましょう。

CRMがあるときとない時の業務を想定し、導入によって得られるメリットをお伝えしました。

また、導入時の注意点として、いくつか挙げましたが、「CRMはすぐに効果が期待できるものではなく、長期スパンで効果が現れる」ことを把握しておいてください。

導入後、継続して顧客データを集めることが大切です。

2つの記事にわたり、CRMについてと、実際導入するにあたっての改善見込みや注意点をご紹介いたしました。CRMそもそもについてまだよくわからないという方は、前回の記事も併せてご覧ください。

顧客情報を管理する上で、CRMはとても重要なものとなってきます。ランニングコストや手間が増えてしまうのも事実ですが、費用対効果や、目的などを中長期スパンで考慮し、自社に合う顧客管理方法を見つけてみてください。

2つの記事から、CRMについての理解が深まり、導入への判断材料の一つとなっていただけたら嬉しく思います。

 

CRM

株式会社アイ・エス・アイソフトウェアーは、WSR(Work Style Re-engineering)をテーマに、企業における一連の業務フローに対応したソリューションをトータルで提供するIT企業です。お客様に最適なIT基盤を構築することで、ワークスタイルの改善・働き方改革の実現をサポートします。

ソリューションを見る

メルマガに登録する

メルマガにご登録いただくと、ITに関する様々な情報をメルマガでお届けいたします。
個人情報の取り扱いに同意するの上、登録してください。

Share

カテゴリ

最新記事