テレワークというワークスタイルが普及しつつある中で、ABWという新たな働き方が登場しました。
日本国内の企業で普及していく働き方です!と言い切ることは難しいですが、日本国外でじわじわと普及し始めています。
日本でも普及し始めた際に、「ABWってなに?」とならないよう、言葉の意味やメリットを先取しておきましょう!
1. ABWとは
ABWとは、「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略で、オランダのウェルデホーエン社で誕生した全く新しい働き方のことです。
ABWは、「働く場所や時間をそれぞれの仕事に合わせて自由に選べる働き方」を意味します。
一般的なオフィスのように、作業をするための固定席を設けず、働く人が働く場所や時間を業務の内容に応じて自由に選択できるような環境を作ります。
2. フリーアドレスとの違い
ABWと混同される言葉にフリーアドレスがあります。
フリーアドレスの発祥は日本です。
フリーアドレスという名前の通り、オフィス内であれば、どこでも自由に働けるワークスタイルです。
ABWでの働く場所はオフィスに限定せず、自宅はもちろん、コワーキングスペースやカフェなど仕事ができる環境であればどこでも選択できます。
まとめると、フリーアドレスはあくまでもオフィス内に限られているのに対し、ABWは仕事ができる環境であればどこでも自由に働くことができるところに違いがあります。
3. ABWのメリット
社員のモチベーションアップ
ABWでは、自分の好きな時間に好きな場所で働けるため、従業員の働く意欲がわきやすくモチベーションの向上になります。
仕事のやり方を自分で選択できることで、自主性が身につき、生産性向上に繋がります。
実際にウェルデホーエン社が、ABWを導入した企業を対象に行った調査では、「総合的な満足度17%UP」「個人生産性13%UP」「チーム生産性8%UP」「職場への帰属意識4%UP」という結果が出たそうです。
企業イメージアップ
日本ではあまり浸透していない働き方であるABWを導入することにより、企業のイメージアップを図ることができるかもしれません。
誰もが働きやすい職場というイメージがつけば、優秀な人材がたくさん流れ込むようになるかもしれません。
コスト削減
ABWでは、全員が全員オフィスで働く必要がないため、従業員規模に見合ったオフィスを用意する必要がありません。
オフィス以外でも仕事ができるため、オフィスの規模を小さくしても業務が成り立ちます。
従来のオフィスよりも規模を小さくすることで、オフィスの家賃やオフィスを維持するための通信費、光熱費といったコストを削減することができます。
ワークライフバランス実現
ABWでは、オフィスに通う必要がないため、ワークライフバランスの実現に繋がります。
在宅ワークをすることで、かつて発生していた通勤時間がなくなり、家事や育児、介護などプライベートに割く時間を増やすことができます。
4. ABWのデメリット
セキュリティ対策が必要
オフィス外または自宅外で仕事をすると、顧客の情報や社外秘の情報などが漏れてしまうかもしれません。
端末やシステムのセキュリティを強化していても、端末を置き忘れるなどの紛失に繋がるかもしれません。
テレワークの増加などで、セキュリティを強化した企業も多いかとは思いますが、ABWを取り入れるためには、さらなるセキュリティ強化が必要です。
管理が難しい
ABWの最大ともいえるデメリットが、「社員の管理が困難」であることです。
業務中に社員の働いている姿を見ることができないので、しっかりと仕事をしているかが不明確になります。
また、好きな時間に好きな場所で働くので、勤怠管理や人事評価の見直しも必要になってきます。
さいごに
ABWは、社員がベストな状態で効率的に働ける新しいワークスタイルです。
社員の管理に工夫が必要であったり、セキュリティを強化していく必要があるなど、導入のハードルは高いかもしれません。
しかし、働き方が自由である分「ここで働きたい!」という方が増え、優秀な人材の応募が増えるかもしれません。
また、場所を選ばないワークスタイルは、社員のモチベーションを上げるので、生産性の向上にも繋がります。
コクヨ株式会社などの有名企業も取り組み始めているようです。
ABWを実現してみてはいかがでしょうか?