MAという言葉をご存じでしょうか。「マーケティング」に携わっている方は耳にしたことがあるかもしれません。
リードと呼ばれる見込み客を発見し、新たな顧客へと育成していく際に大活躍します。
見込み客や顧客の管理から、コンテンツ配信など、様々な機能を持つMAですが、顧客管理ツール(CRM)などとどう違うのでしょうか。
今回は、MAについて基本的なことから、メリットや導入時の注意点などをご紹介いたします。
目次
1. MAとは
MAとは、「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略で、「マーケティングを自動化するツール」のことです。
マーケティング活動の中でも、「リード(見込み客)管理」の分野において活躍します。
かつては、Excelで簡易的に作成されたものや、CRM*(顧客関係管理ツール)を用いてリード管理されていました。
Excelでは管理する人によりフォーマットがバラバラであったり、CRMでは見込み客の把握が難しいなどの課題点があがっていました。
そこで登場したのが「MA」です。
MAの目的は、Webを使って見込み客を発見、育成し、リードの確度を高めていくことです。
*CRMについては、こちらの「顧客情報の一元管理できていますか?顧客関係管理「CRM」について」をご覧ください。
MAが持つ機能
次に、MAが持つ機能について5つご紹介します。
スコアリング
まず1つ目は、「スコアリング機能」です。
スコアリング機能は、文字通りリードに「点数を付ける」機能です。
メールの開封・リンクのクリック・Webサイトの訪問・サイト内遷移などのリードの行動はスコア化されており、リードが行動するたびにスコアが増減します。リードごとにスコアを見ることができたり、スコアごとにリードを分類し表示させることもできます。
リード管理
2つ目は、「リード管理機能」です。
MAの重要ポイントともいえる機能がこのリード管理です。
リード情報の管理はもちろん、マーケティング施策などのリードナーチャリングから「確度が高まった」リードを自動的に判断し通知してくれます。
「確度が高まった」リードの判断には、先ほどお伝えした「スコアリング」が絡んできます。
リードごとにスコア情報を保持しているので、点数を設定し、その点数を超えたら通知するなどを設定しておけば、確度の高い見込み客を逃さずに即座にアプローチすることができます。
フォーム作成
3つ目は、「フォーム作成機能」です。
様々な企業がWebサイトを持っていますが、ほとんどのサイトで用意されているのが「問い合わせ」ページです。
Webサイトを訪問し、資料ダウンロードや問い合わせをする際に、「会社名・氏名・メールアドレス」などを入力し送信したことがあるかと思います。その入力・送信が「フォーム」です。
そのフォームで送信してほしい内容の設定や、送信されたリード情報の管理ができます。
また、リードのフォーム送信前後の行動も一緒に記録されるので、フォームを送信したリードがどのようなことに興味を持っているのかまでも把握することができます。
メール配信
4つ目は、「メール配信機能」です。
自社のメルマガをサブスクライブしている人に一斉に定期的なメルマガを配信するのはもちろん、リードをセグメントし、特定のリードたちにだけメールを送信することも可能です。
また、特定のフォームから送信された際には、このメールを自動的に送る設定ができるのももあるので、フォローメールの送信忘れなどの防止にもなります。
コンテンツ作成
5つ目は、「コンテンツ作成機能」です。
4つ目でメール送信についてお伝えしましたが、送信するテキストメールやHTMLメールについて作成することができます。
また、ブログ記事や、SNS投稿・ランディングページ*などのコンテンツも作成可能です。
コンテンツに関しては、A/Bテストができるものもあるので、より効果的にナーチャリングが可能なものにしていくことができます。
ページの作成などに関しては、コーディング・プログラミングがいるのではないかと思われるかも知れないですが、必要な要素をドラッグ&ドロップの操作で作成できるものもあるので、融通の効くツールを探してみるのも良いかもしれません。
*ランディングページとは、検索結果や広告からWebサイトへ入る際に、一番初めにたどり着くページのこと。
MAとCRMの違い
次にMAとCRMの違いについてご紹介いたします。
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。顧客との関係性やコミュニケーションを管理し、自社と顧客との関係や顧客自体の情報を一元管理できるようにするツールのことです。
MAは、Webを使って見込み客を発見、育成し、リードの確度を高めていくことです。
MAとCRMの違いは、「見込み客を発見・管理するのか、顧客の情報を管理するのか」です。
MAで見込み顧客を顧客へと育成し、CRMで顧客情報を管理するというイメージを持っていただけると良いかと思います。
MAのメリット
次にMAのメリットについて、3つご紹介いたします。
新たな見込み客の可視化
まず1つ目は、新たな見込み客が発見できることです。
MAを導入していなければ、自社に訪れたユーザーの情報を把握するのが困難です。
MAを導入することによって、フォームの設置やフォームからの情報、行動履歴などの把握が可能なので、今まで捉え切れていなかった隠れリードが見えてきます。
One To Oneマーケティングの実現
リード1人ひとりが持つ課題はそれぞれ異なります。
MAでは、リードの1人ひとりの情報はもちろん、行動履歴なども閲覧することができます。
いわゆるOne To Oneマーケティングと言われる、対象になるリードを属性や部署、どのサイトの閲覧に時間をかけているかなどから細かく分析し、各リードに合った課題の解決策を探します。
そして、対象のリードが抱えている課題にしっかりとマッチした解決策を提案することで受注率が上がり、成約後でも高い満足度を維持することができます。
営業部門とマーケティング部門の連携
マーケティング部はマーケティング部、営業部は営業部と全く区別して扱われている企業が数多く存在します。
マーケティング部と営業部がすれ違ってしまうと、受注が思うように取れないなどの問題が発生します。
リードを発見し、育てて確度を高めるところがマーケティング活動です。そして、そのリードに対して提案し、顧客にするのが営業活動です。
マーケティング部と営業部で共通してMAを使用することで、どういうリードなのか、過去にどのようなアプローチをかけたのかなどの連携が取れるようになり、受注率upが見込まれます。
MA導入時の注意点
次に、MA導入時に注意したい点についてご紹介いたします。
営業部門とマーケティング部門の連携を見据える
先ほどのメリットの章でもお伝えしたように、 リードから顧客にするためには、マーケティング活動と営業活動の連携が要になってきます。
営業活動はSFA*を使うから、MAについてはマーケティング担当だけで決めてしまおうと思われるかも知れないですが、営業部・マーケティング部がそれぞれ連携して使いやすいツールを選びましょう。
また、導入して実際に使用していく際には、双方でしっかりと話し合い、どのような情報を残していくのか、どのようなアプローチをかけていくのかの認識をすり合わせるようにしましょう。
*SFAについては、「これでさらに営業UP?営業管理ができる「SFA」の全て」の記事をご覧ください。
CRMとの連携に対応しているかどうか
MAで見込み客を獲得し、顧客へと育成し、CRMで顧客管理をしていくというケースがあります。
CRMを導入しておらずMAから始めるという方は問題ありませんが、CRMをすでに導入しており、これからMAの導入だ。という方は、自社のCRMとMAとのデータ連携が可能かどうかを考慮するようにしましょう。
さいごに
MAは、「マーケティングを自動化するツール」のことだとお伝えいたしました。
メールやランディングページなどのコンテンツの作成から配信、リード管理まで、マーケティングに関わる業務を自動化・効率化してくれます。
MAだけでもリードや顧客の管理を完結させることは可能ですが、MAとCRMを連携させることでより効果を発揮します。
今回ご紹介したMAをはじめ、CRMやSFAなどは、「データドリブン」というデータ分析に活用することができます。
「データドリブン」はDXへの第一歩として注目されているので、ぜひこの機会に「DXに欠かせない「データドリブン」についてとその活用方法」の記事もご覧ください。
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