現在、様々な業務で効率化、生産性の向上が求められています。機械化やITシステム化で自動化がすすんでいる部分もありながら、結局のところ手作業で実施しなければいけない部分も残っているのが多くの企業の実態です。
ITシステムを導入しても、「受信したFAXの内容を手作業で入力している」「業務の拡張に伴いITシステムがマッチしておらず、データを一から作成している」といった話をお客様からよく耳にします。
手作業には多くのリスクが伴います。時間がかかったり、ミスによる手戻りが発生したり…。手作業のミスを減らす努力はしているものの、ふとした時に起こるミスは防ぎにくいですよね。
そこで、今回は『手作業でのミス』がどういう時に発生するのかスポットを当て、ミスを劇的に減らすことの出来る効果的な方法をご紹介します。
ミスを減らす方法をご紹介する前に、まず、主な人為的ミスについて考えていきましょう。人為的なミスは以下のように大きく3つに分類することができます。
では次に、どうしてミスが起きるのか、その原因を考えましょう。
指示者の意図と、作業者の意図にずれが生じると起こります。指示段階において、アウトプットに対する認識のすり合わせが行われなかったことなどが原因として挙げられます。
単発の作業指示や初回の作業において発生しやすいケースです。
作業の段取りを十分に行わずに着手した場合や、段取りを行っていてもそれに沿って作業しなかった場合に生じます。また、作業者の独断で作業項目が追加、または削除された場合にも起こります。これは最初に挙げた認識齟齬とも深い関係にあると言えます。
繰り返し実施される作業において発生しやすいケースです。
作業の段取りをきちんと行ったことに対しての安心感による気の緩みや、慣れた作業に対して「ミスをするはずがない」と思い込む、慢心によって生じます。さらに、単純作業の連続によって起きる集中力の低下も大きな原因の1つです。
繰り返し実施される作業や、いつもと少し違った作業をする場合において発生しやすいケースです。
上記で挙げたミスに共通して効果的だと言えるのが、『チェックリストの活用』です。
チェックリストというと、作業が全て終わった後に抜けがないか、観点がずれていないか確認をするもの、というイメージが強いかもしれません。
しかし、それでは作業全体に対して手戻りが発生してしまうため、あまり効率的とは言えません。
3つの活用のポイントをしっかり押さえることで効果を発揮します。
一度作成したチェックリストは、その後も毎回同じものを利用します。
例えば、帳票作成のように同じ作業を何度も繰り返す場合、毎回チェックリストを作成すると、観点のずれが発生してしまいます。そこで、一度作成したものを何度も利用し、作業を定型化することで作業の確実性を向上させることが出来ます。
作業ごとにチェックポイントを設けて、確認を実施します。
ミスに気付かないまま作業が終了し、後から全体に修正を入れることになった…という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで、こまめにチェックポイントを設けることにより、早い段階で抜けやミスを見つけることが出来るため、後への影響を最小限に抑える効果があります。
チェックポイントでの確認作業を必ず丁寧に、詳細に行います。
しっかり用意されたチェックリストや、こまめに設けられたチェックポイントも、ここを大雑把に済ませてしまうと意味を成しません。ミスを見つけることが出来ず、手戻り作業が発生する原因となってしまうのです。
チェックリストを活用することで、どのような効果が得られるのでしょうか。はじめに3つに分類したそれぞれのミスと関連付けてご説明したいと思います。
まず、『認識齟齬によるミス』についてです。指示者と作業者間での認識合わせ不足が主な原因でしたが、認識齟齬が起きないように確認するポイントをチェックリストに盛り込んでおけば、大きなずれをなくし、作業の確認観点が容易に統一できます。また、作業者が変わっても手順や観点が統一されているため、チェックリストを見ればスムーズに作業を進めることが可能です。
『うっかりミス』についても、効果を発揮します。小さな間違いを早期に発見し、対処することで作業の手戻りが減り、総作業時間を短縮することが出来ます。
最後は『確認ミス』についてです。気の緩みや慢心から起こるものですが、チェックリストを利用することでこれらに気付くことが出来ます。また、単純作業による集中力や緊張感の低下に対しても、確認という異なる作業を挟むことで、これらの予防にも繋がります。
ここまで、手作業でのミスを減らすためにチェックリストを活用する方法やその効果をご紹介しました。
しかし一番の解決策は「手作業をなくす」ことです。
『うっかりミス』と『確認ミス』でその効果は絶大です。自動化してしまえば『うっかり』や『ミス』は起きません。きちんと処理を定義しておけば、一定の処理を必ず実施することができます。
特に繰り返し行う「パソコンの操作」はRPA(Robotic Process Automation)に置き換えることができます。手順書を見ながら決まった手順で実施する操作はRPAの得意分野です。
RPAの詳細な内容については「手間な作業はロボットにお任せ RPAでできることとは?」の記事を参照してください。
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