ブロックチェーンで何ができるでしょうか。
最近なにかと話題にあがるブロックチェーンですが、調べてみると「改ざんできないシステム」、「落ちないシステム」、「管理者不在の自律したシステム」といった特徴が目に入ります。これにより、従来とは異なる新しいシステムを構築できるのではないかと感じるものの、具体的には何ができるのかと疑問に思う方が多いでしょう。
そこで、ブロックチェーンを活用するシステムを考える際のポイントや考え方について、ご紹介します。
ブロックチェーン活用アイデア
ポイントシステム
ブロックチェーンの活用事例として、お店や商店街で発行する独自ポイントや地域限定で使える地域通貨は、実証実験の記事としてよく見かけます。
これはブロックチェーンが仮想通貨で使われていることもあり、既存のブロックチェーンの仕組みをそのまま使うことができるため、イメージしやすく比較的簡単な仕組みで構築できるからです。実証実験だけの目的であれば、ブロックチェーンの環境をわざわざローカル環境やクラウド上に構築する手間もなく、Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のテストネットと呼ばれる環境を利用することができるので、アプリケーション側の実装だけで試してみることができます。
トレーサビリティ
製品や食べ物が生産されてから様々な場所を経由して輸送され、店頭に並び消費者が購入するまでの履歴をブロックチェーンを使ってトレースすることができます。小さい規模では、社内の備品をいつどこで誰が使ったのかを記録することも考えられます。
この場合は扱う対象がお金やポイントではないので、構築しようとすると少々工夫が必要になります。
投票
賛成や反対、アンケート、人気投票などを集計するような仕組みです。
投票数を一票1ポイントと考えれば、ポイントシステムと同様の考え方を反映できるため、比較的簡単にシステム構築ができます。
ブロックチェーンのコインを流用して構築できるものから、少々工夫して構築するものがありますが、最初から欲張って色々なことを考えると悶々とするので、まずはブロックチェーンのコインを流用して構築できるものをお勧めします。
ブロックチェーンの登場人物
「ブロックチェーンを利用した簡単な仕組みを考えよう!」の前にもう一度ブロックチェーンの登場人物を整理しましょう。
登場人物は「アカウント」と「コイン」です。
基本はこの2つの登場人物をどう組み合わせるかがポイントになります。
アカウント
仕組みの中でアカウントの役割にあたるものを考えてみましょう。
アカウントと言えば「人」をイメージすると思いますが、人だけとは限りません。ポイントを発行する「お店」であったり、輸送先の「倉庫」であったり、「賛成や反対」、「アンケートの項目」もアカウントにできます。
「アンケートの項目」をアカウントとした場合を考えてみましょう。コインを1000枚発行し、それをアンケート対象の人に配布します。コインを配布された人はアンケート項目に対して、該当する回答にコインに送金します。送金されたアンケート項目のコインの額を集計し表示すれば、簡単にアンケートの機能を実装することができます。
コイン
次にコインに当たるものを何にするかを考えてみましょう。
これもお金だけでありません。既にアカウントのところで触れましたが、投票数や製品の数量のような数値を集計するようなものであればほとんど利用することができます。
またコインではなく、取引データそのものと考えてもよいです。
ブロックチェーンはコインの取引(トランザクション)をまとめてブロックに書き込んでいるので、トランザクションと紐づけることができるものであれば、形のないものでもブロックチェーンに書き込めることになります。
トランザクションと紐付ける際に少し工夫が必要です。
まとめ
ブロックチェーンで何かできるものを検討する場合のポイントとしては2つあります。
最初はあまり複雑なものを考えず、既存のブロックチェーンを利用した、コインを使った簡単なものを考えてみるのがおすすめです。
アカウント=「人」、コイン=「お金」という固定観念を捨て、いろいろなものに当てはめて検討してみてください。
そうすると今まで誰も扱わなかったようなものがシステム化できるアイデアが浮かぶかも知れません。実証実験に取り組んでみたい場合には、ぜひアイ・エス・アイソフトウェアーにお声がけください。