AWSで構築されていたWEBサービスをオラクル社のクラウドインフラサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(以下 OCI)に移行した作業についてブログで紹介したいと思います。
移行作業は以下です。
今回は、AWSからOCIに移行する事で発生したメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
最近、AWSの利用価格が高くなってきたと感じている方や、もっとアクセスレスポンスが速くならないかと思っておられる方は最後まで読んで頂ければ幸いです。
移行前のAWSの構成概要
EC2インスタンス | 2vCPU メモリ8GB |
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MySQL | 4vCPU メモリ16GB |
OS | Linux |
負荷分散 | ELBによる負荷分散 |
セキュリティ | WAFの適用なし |
DR(災害対応) | スナップショットによるバックアップのみ |
コンピュート インスタンス | 2OCPU(4vCPU) メモリ30GB |
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Oracle Database | 2OCPU (4vCPU) メモリ30GB |
OS | Linux |
負荷分散 | フレキシブルロードバランサー |
セキュリティ | WAFの適用 |
DR(災害対応) | 東京リージョンと大阪リージョンでDR構成 DatabaseはDataGuardよるリアルタイム同期 |
OCI上への環境構築は、OCIのコンソール画面が使いやすく、それほど時間は掛かりませんでした。
ドキュメント込みで2ヵ月程です。
それよりもOracle Databaseにアプリケーションを対応させる改修と動作検証に時間が掛かりました。
移行中に発生した問題についてはほとんどがデータベース関連の問題で、インフラに関してはほぼAWSと同じ構成で作成する事ができたため、問題ありませんでした。
データベースで発生した問題の1例を紹介します。
DR構成として Oracle DatabaseにDataGuardを適用し 東京・大阪間でデータの同期を行うようにしています。
プライマリDBとセカンダリDBの切り替えテストを行ったのですがコンソール上の表示が切り替わらない等 DBの不具合がありました。
ただ、DBのパッチを提供する事でこの問題は解消されています。
OCIに変えて良かった点は、「コスト」と「レスポンスと速度」の2点あります。
まずはコストです。
AWSの構成とOCIの東京リージョンの構成で1カ月のコストを比較(DRの大阪リージョンのコストは含めません)すると、各サーバーのスペックやDBのスペックが倍以上になっていますが、コストはほぼ同じでした。
同じスペックならコストはかなり下がっていますね。
次にレスポンスと速度です。
AWSである登録処理に15分間アクセス集中し、レスポンスの低下が発生していましたが、OCIに変更した事で 15分間で処理できた件数が増加しました。
AWSの時は15分間で100件 < OCIでは15分間で800件OCIの圧勝です。
OCIに変えて良くなかった点は、OCIのサポート問い合わせに不安があることです。
徐々に改善されてきていますが、問い合わせに対するレスポンスがあまり良くない印象です。
ただし、問い合わせの記載内容を工夫する事と電話問い合わせを組み合わせる事でかなり改善できると思います。
AWSでも問い合わせの記載内容が足りてないと何度も情報交換が発生するので、この辺りはAWSでもOCIでも問い合わせる側のスキル次第だと感じました。
AWSで構築している構成と同じ構成で、OCIにも簡単にWEBサービスを構築する事ができ、コストも速度も改良される事が今回実際に移行してみた中で実感できました。
AWSはクラウドインフラサービスではシェアトップですが、後発のOCIの方がコストや性能面では圧倒的に優れています。
特にデータベースのサービスであるOracle DatabaseやMySQLのクラウド移行を検討されているのであれば、圧倒的に安くて速いサービスを提供している「OCI」がおすすめです。
これからオンプレミスのサーバーをクラウドにシフトする事を検討されている方は、OCI「Oracle Cloud Infrastructure」をお勧めします。
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