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AWSからOCIへの移行

AWSで構築されていたWEBサービスをオラクル社のクラウドインフラサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(以下 OCI)に移行した作業についてブログで紹介したいと思います。

移行作業は、インスタンスの構成は同じ内容で構築、データベースシステムをMySQLからOracle Databaseに変更、WAFのサービスの追加を行いました。

今回は、AWSからOCIに移行する事で発生したメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。

最近、AWSの利用価格が高くなってきたと思っている方やもっとアクセスレスポンスが速くならないかと思っておられる方は最後まで読んで頂ければ幸いです。

1. 移行前のAWSの構成

  移行前のAWSの構成概要

移行前のAWSの構成概要図

EC2インスタンス 2vCPU メモリ8GB
MySQL 4vCPU メモリ16GB
OS Linux
負荷分散 ELBによる負荷分散
セキュリティ WAFの適用なし
DR(災害対応) スナップショットによるバックアップのみ

2. 移行する際の要望

  • MySQLからOracle Databaseへの移行
  • 全体の基本的な構成は変えずスペックはAWSより上げる
  • ロードバランサーによる負荷分散
  • 東京リージョンと大阪リージョンでDR構成
  • AWSでは導入していなかったWAFを適用

3. 移行後のOCIの構成

移行後のAWSの構成概要図
コンピュート インスタンス 2OCPU(4vCPU) メモリ30GB
Oracle Database 2OCPU (4vCPU) メモリ30GB
OS Linux
負荷分散 フレキシブルロードバランサー
セキュリティ WAFの適用
DR(災害対応) 東京リージョンと大阪リージョンでDR構成
DatabaseはDataGuardよるリアルタイム同期

4. 移行手順

移行手順図
  1. OCI上に検証環境を構築し、AWSと同等の環境を用意し動作検証
  2. DBをOracleに移行、Oracleに対応させるためにアプリケーションを改修
  3. OCI上に本番環境を構築し、動作検証、その後本番稼働

OCI上への環境構築は、OCIのコンソール画面が使いやすく、それほど時間は掛かりませんでした。
ドキュメント込みで2ヵ月程です。

それよりもOracle Databaseにアプリケーションを対応させる改修と動作検証に時間が掛かりました。

5. 移行中に発生した問題

移行中に発生した問題についてはほとんどがデータベース関連の問題で、インフラに関してはほぼAWSと同じ構成で作成する事ができたため、問題ありませんでした。

データベースで発生した問題の1例を紹介します。

DataGuardのスイッチのテストをする度にエラーが発生

DR構成として Oracle DatabaseにDataGuardを適用し 東京・大阪間でデータの同期を行うようにしています。

プライマリDBとセカンダリDBの切り替えテストを行ったのですがコンソール上の表示が切り替わらない等 DBの不具合がありました。

ただ、DBのパッチを提供する事でこの問題は解消されています。

6. AWSとOCIの比較

OCIに変えて良かった点

OCIに変えて良かった点は、「コスト」と「レスポンスと速度」の2点あります。

まずはコストです。
AWSの構成とOCIの東京リージョンの構成で1カ月のコストを比較(DRの大阪リージョンのコストは含めません)すると、各サーバーのスペックやDBのスペックが倍以上になっていますが、コストはほぼ同じでした。
同じスペックならコストはかなり下がっていますね。

次にレスポンスと速度です。
AWSである登録処理に15分間アクセス集中し、レスポンスの低下が発生していましたが、OCIに変更した事で 15分間で処理できた件数が増加しました。

AWSの時は15分間で100件 < OCIでは15分間で800件OCIの圧勝です。

OCIに変えて良くなかった点

OCIに変えて良くなかった点は、OCIのサポート問い合わせに不安があることです。

徐々に改善されてきていますが、問い合わせに対するレスポンスがあまり良くない印象です。

ただし、問い合わせの記載内容を工夫する事と電話問い合わせを組み合わせる事でかなり改善できると思います。

AWSでも問い合わせの記載内容が足りてないと何度も情報交換が発生するので、この辺りはAWSでもOCIでも問い合わせる側のスキル次第だと感じました。

AWSで構築している構成と同じ構成がOCIでも簡単に構築する事ができ、コストも速度も良くなる事が実際移行した事で実感できました。

AWSはクラウドインフラサービスではシェアトップですが、それはOCIより先にサービスを提供したからで、コストや性能面では後発のOCIの方が圧倒的に優れています。

特にデータベースのサービスであるOracle DatabaseやMySQLのクラウド移行を検討されているならOCIが他のクラウドサービスと比べても圧倒的に安く速いサービスを提供しています。

これからオンプレミスのサーバーをクラウドにシフトする事を検討されている方は、OCI「Oracle Cloud Infrastructure」をお勧めします。

弊社は、デジタルインフラサービスを提供しております。
詳しくは、こちらから資料をダウンロードしていただくか、お問い合わせください。

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