こんにちは。
基幹システム(ERP)などの業務系ソリューションを中心に、企画設計やエンジニアリング、導入支援を行っている土田です。
突然ですが、ERPを導入しようと調べていてもたくさんの製品があり、情報収集すればするほど、どのERPにすればよいか悩みばかりが増えていく…なんて状態になっていませんか?
メジャーなERPだけでも、SAP、Microsoft Dynamics、infor、GRANDIT…とあげていけばきりがありません。
多くの企業が導入しているから、価格が安いから、いい評判をよく聞くから、といった理由でERPを選んでしまっては、失敗に終わってしまいます。
ただでさえ高価な導入コストがかかるERPですが、導入後の効果が出ていない中で決め手に欠ける選び方をしているままでは、現場の負担を大きくしてしまうことになるのです。
しかし、私たちのようなERPベンダーが要件定義でヒアリングをしているような「選定のポイント」を事前にわかった上でERPを選定すると、本当に自社に有益となるERPを選び取ることができます。
そこで今回は、私たちが日頃お客様に対してアドバイスしているERPパッケージの選定で失敗しないための7つのポイントをお教えします。ERPを選定する前に、ポイントを抑えることができているかチェックシートで確認してみてください!
ERPパッケージの情報を収集する前に、明確にしておかなければいけないことが3つあります。
まず初めに、必ずしておかなければいけないことは、導入の目的を明確にすることです。ERPを導入すること自体が目的となってしまっているパターンを多く見かけますが、その時には必ず「ERPを導入する目的はなんですか?」と問いかけるようにしています。
ERPを導入する目的が明確でないと、ERPを導入した後に必ず「こんなはずではなかった、業務に合わなくて使えない」という結果になってしまいます。
ERPを導入することになった経緯とその背景を整理したうえで、実現したい理想の姿を掲げることができれば、「このERPパッケージでそれが実現できるか」という視点で製品の比較をすることができます。
理想の姿を実現できないERPパッケージは絶対に採用するべきではありません。
次にしておくべきことは、実現したい理想の姿と現状とのギャップを認識することです。
理想の姿になるために「変えなければいけないことは何か」を捉えることが重要です。経営上の課題は何か、業務フローに問題はないか、現在のシステムで実現できないことは何か、といった様々な視点から考えていきます。
実は、ERPの効果が感じられないと言われるお客様の多くは、現状の業務フローに合わせてERPを選定・導入しています。理想の姿に近づくためではなく、現状の姿にERPを合わせてしまっているため、ERPを入れたことで逆に手間が増えたり、ERP導入の価格が高騰してしまっています。
導入の目的を念頭においた上で課題を捉えることが一番効果的なのです。
現状の課題が明確になった後は、ERPでどこまでその課題をこなしたいのかを明確にする必要があります。見えた課題に対してすべてERPで解決しようとしてしまうと、結果的にシステムの拡張や他システムとの連携で予想外のカスタマイズが入り、膨大な費用がかかってしまうことになりかねません。一度でも導入してしまえば、容易にシステムの入れ替えができない以上、ERPで何をどこまでしたいのか、これだけは実現したいなどの目標を立てることがとても重要になります。
これら3つののポイントを明確にするだけで、しっかりとしたRFP(提案依頼書)を作成することができ、ベンダーからよりよい提案をもらうことができます。
逆に、この3つが曖昧のまま進めてしまうと、予想外の費用や、莫大な時間がかかってしまいます。この3つはしっかりと押さえておきましょう。
いよいよERPについて情報収集をしていくわけですが、闇雲に情報収集していては時間ばかりがかかってしまいます。
そこで、私たちがお客様にERPをご提案する時に抑えているポイントをご紹介します。
どうしても意識しまうのが価格なのではないでしょうか。安いに越したことはありませんが、現状の課題をクリアできなければ、導入価値はゼロです。せっかく導入したのに、現場では苦情の嵐…なんてこともあります。
あくまで一つの指標と捉え、導入する目的を忘れないようにしましょう。まずは、課題に対する機能がどこまで備わっているのかを、比較していくことをおススメします。
機能の数が多いからと言って、課題解決に適しているとは限りません。逆に機能がありすぎて、業務が複雑になっているケースも少なくありません。現状の課題がどこまでクリアできるのかを確認し、課題に適した機能が備わっているERPをリストアップしていくと良いでしょう。
業界特化型ERPをはじめ、オプション機能により自分好みにカスタマイズできるERPがあります。さらには、オンプレミス型はもちろん、クラウド型のERPも登場しています。業務規模が大きくない場合はコスト面にメリットのあるクラウドのSaaS型ERPを視野に入れてみるのも良いかもしれませんね。
消費税が増税したのに、ERPが対応していない!?対応するのに1ヶ月かかる!?そんなシステムは使えないですよね。法改正が起きても、迅速に対応してこそERPです。
そこで抑えておくべきポイントがあります。
それはサポート体制、スタッフの業務知識レベルです。導入後も迅速に的確に対応してもらうことが必要です。製品ばかりに目が行きがちですが、導入後のサポートが良いERP提供企業の選定も大切になってきます。
話を聞いている限りとても良いERPだと思っても、いざ導入するとまったく使えないなんてことになってしまうと取り返しがつきません。ERPをより知るためには、ERP提供企業の実績を確認することも大切です。
自社の業種、業態、規模から、その強み、弱みを聞いてみましょう。
特に失敗した事例を聞き、「きちんと対応しているのか」、「ERPの継続年数が長く、導入後にすぐに他のERPに切り替わっていないか」を確認すると良いでしょう。
この4つのポイントを念頭に置いてERPの比較をしていくことで、自社に適したERPを選定することができます。
業務によっては、ERPではまかないきれない機能も発生してきます。そこで、ERPと連携することでより強力に業務を遂行できるツールをご紹介いたします。
営業支援ツールは、お客様の固有情報や取引の情報を登録することで、適切なタイミングでお客様にアプローチできるように支援してくれるツールです。
さらに、登録している情報を様々な角度から分析し、今後の戦略や構築に活かすことができます。
ERPを効果的に長期稼働させるには、継続的なお客様の分析が必要になります。ERPと連携することで、より的確に業務を進めることができるでしょう。
今後の運用を予測するため、お客様との取引のデータを活用しないといけないですよね。そのデータを使いやすいように抽出し、分析、加工してくれるのが、BIツールです。
日々大量のデータがやり取りされるERPでは、自動的にほしい情報が手に入ることはとても便利です。業種によってはERP導入に不可欠かもしれません。
選定する際は、BIツールとの連携がどこまでされているのか確認しておくことをオススメします。
ERPを選定する前に、必ず3つのポイント「導入の目的、現状の課題、導入範囲」を明確にしましょう。これが不十分だと、選定もその後の導入も失敗に終わってしまいます。
そのあとに、ERPの比較・選定を行いましょう。
また、ERPに注目しがちですが、ERPを提供する企業のサポート体制や、その実績を見ることで、失敗のリスクを下げることができます。
そして最後になりますが、焦らないことです。
時間を十分に持ち、落ち着いてじっくり腰を据えて、検討しましょう。
お伝えしたERP導入時のチェックポイントをチェックシートにまとめましたので、ぜひERP導入検討に入る前にシートを使ってポイントを整理してみてください。