今回、ご紹介するのはサブスクリプション、通称サブスクについてです。
最近、音楽や電子書籍、娯楽サービスなど様々なサブスクリプションサービスが生まれ、私たちの生活が豊かになっています。
みなさんの中にもサブスクリプションのサービスをすでに利用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんなサブスクリプションについてご紹介いたします。サブスクリプションがビジネスとしてどういうメリットがあるか事業者視点を中心に説明していきますので、導入をご検討されている方はぜひご参考ください。
サブスクリプションとは、英語で「定期購読」、「予約購読」といった意味の「subscription」が語源にあたります。モノを実際に所有するのではなく、必要に応じて「利用する」ことがメインとなるビジネスモデルになります。
その中でも、私たちの生活に身近なのが、月に定額を支払うことでサービスを利用できるというモデルだと思います。例えば、Apple社が提供している「Apple Music」は、定額を支払うことでその期間、音楽が聴き放題になります。
従来、サブスクリプションサービスが誕生するまでの私たちは、モノ・サービスにおいて「買い切る」または「レンタル」という手法にて入手していました。そこからネットワークやデジタル技術が発展していくことで、サブスクリプションが誕生し広がっていきました。
先ほど例に挙げたApple Musicの場合、元々は1曲ずつ音楽を購入するサービス(itunes)からサブスクリプションサービスへと進化しました。また、サブスクリプションが広まった背景にはユーザーの重要視する価値観が、モノを「所有する」から「利用する」に変わってきたということもあります。
この章では、サブスクリプションのメリットについてご紹介いたします。まずは、ユーザー視点でのメリットです。主に下記3点が挙げられます。
利用から解約までのハードルが低く、様々なコンテンツを自由に楽しめるサービスが多いため、満足感を得やすいです。
次に、事業者視点です。サブスクリプションを提供することは事業者側にも当然メリットがあります。
買い切りのサービスと違い、サブスクリプションは定期的に売上が入ってくるため、売上管理や見通しが立ちやすくなります。
定額制になるため、買い切りサービスと比べて価格を安く見せることができます。そのため、顧客の利用ハードルを下げることができ、結果的に新規顧客を増やすことができます。
買い切りサービスの場合、購入後の顧客データを追うことが難しいケースが多いです。それに比べてサブスクリプションの場合、リアルタイムで顧客の利用状況を確認することができるため、サービス改善や新コンテンツ制作などに活用することができます。
サブスクリプションには、ユーザー側にも事業者側にも多くのメリットがあることについて紹介いたしました。事業者側には安定した売上が担保されるため、事業としても魅力的だと感じられるかと思います。
しかしながら、サブスクリプションは定額サービスならではの問題もあります。この章では、サブスクリプションビジネスを検討する上で注意すべき点を紹介いたします。
新たなサブスクリプションサービスを立ち上げるケースよりも、既存サービスをサブスクリプション提供するケースを検討される方が多いかと思います。
その際に注意すべきなのは、買い切りの既存サービスをそのままサブスクリプションに変換にすれば、利用者が増えるというわけでないということです。既存サービスをサブスクリプションにする場合、買い切りサービスと差別化するような機能やコンテンツを付け加えることが大切になります。
その代表的なサービスとして、Microsoft 365🄬が例として挙げられます。Microsoft OfficeはWordやExcelなどの買い切りサービスであるのに対して、Microsoft 365🄬はサブスクリプションサービスになります。(Microsoft 365🄬は、Microsoft Officeアプリが使用できるサブスクリプションサービスです。)Microsoft OfficeのWordとMicrosoft 365🄬のWordは機能としては同じですが、Microsoft 365🄬にはデバイスやOSを問わずに利用可能や点などMicrosoft Officeとの差別化を図る機能が備わっています。
このように、既存の買い切りサービスとは異なった機能、コンテンツを付け加えることでサブスクリプションサービスとしての価値やユーザーのニーズに応えることができます。サブスクリプションサービスに変換することで、新たに生まれるニーズや使用するユーザー行動を想定してみましょう。
サブスクリプションサービスを提供することで、新規顧客が獲得しやすくなり固定の売上が定期的に入ってくることがメリットとしてお伝えいたしました。その反面に、サービスに飽きたユーザーや機能に不満足なユーザーに解約されてしまうと、見通ししていた売上よりも下がってしまいます。
それを防ぐためには、日頃からサービスのアップデートやメンテナンスを行ない、ユーザー数を維持または増加させて続けていくことが必要です。
今回、サブスクリプションのビジネスモデルについてご紹介いたしました。サブスクリプションサービスを提供することでのメリットや、注意すべき点について伝わっていましたら幸いです。
また、サブスクリプションサービスの提供を検討されている方は、既存サービスと全く同じものとはならないように社内で方向性などを考えてみてください。
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