現在、DXを推進しようとしている企業が急激に増えてきています。
DXを進めるにあたって重要なポイントとなる「BX」が存在するのをご存知でしょうか?
本記事では「BX」と「DX」の関係性をはじめ、実際にBXを推進する場合に気を付けるべきことをご紹介します。
BXとは、「Business Transformation(ビジネストランスフォーメーション)」の略で、デジタル化を導入することによって業務を見直し、改善を進めることです。
BXは部門ごとの業務に限らず会社全体の業務改革が対象になるため、比較的大規模なシステム導入に踏み切る企業も珍しくありません。
また、BXは「BMX」と「BPX」の2種類に分けることができます。
BMXは、「ビジネスモデルトランスフォーメーション」の略で、ビジネスモデルを根本的に変革したり、新しいビジネスモデルを1から生み出し企業価値を高めたりすることです。
ビジネスのやり方や戦略を根本から見直すことで、既存のビジネス環境を改善できるようにします。
BMXでは、既存のビジネスモデルにこだわらず、新しいビジネスモデルを生み出すことがポイントです。
「変革」を検討する際には「既存のビジネスモデルを活かす」案が出てくることが多いかもしれませんが、BMXのように、根本的にビジネスモデルを見直し新しい価値を生み出す選択肢もビジネス改革の1つです。
BPXは、「ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション」の略で、ビジネスモデルではなく、ビジネスモデルのプラットフォームを変革することで、ビジネスに新しい価値を生み出したり高めたりすることです。
ビジネスモデルを新しく生み出す作業は負担がかかるため、ビジネスモデルのプラットフォームとなる部分の変革を軸に進めます。
ビジネスモデルプラットフォームとは、ビジネスモデルの基盤となる「ルール制定」や「社内部門の整備」、「ITシステムの導入」などを指す言葉です。
ビジネスは部門や担当者だけで完結するものではなく、支えとなるモノがあります。これらをまとめてビジネスモデルプラットフォームと呼びます。
このビジネスモデルプラットフォームから変革していくことで、結果的にBXに繋がります。
近年、DXという言葉が飛び交っており、DXという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
BXとDXはいずれも業務を改革するという点では共通しています。
BXが業務の効率化を目的としたビジネスプロセスの「見直し」に対し、DXはIT技術を駆使・導入し社内全体が変革された「状態」を意味します。
BXとDXは異なるものではなく、DXの一貫としてBXが存在するようなイメージです。
業務改革するためにはまず、「現在の業務を見直す」必要があります。
既存業務を見直すことで、コスト削減や業務効率化など改善できる箇所が洗い出されます。
そして改善余地のあるところにどのようなIT技術が活用できそうか検討します。
機能の高いシステムであっても、使いこなせなかったり課題を解決できなかったりする場合は逆効果となる場合があるため注意が必要です。
そして次に必要となるのが、「業務改革に向けての準備」です。
現在、様々な業界において顧客のニーズの移り変わりが激しいとされており、現在の「最適」が1年後に「最適」とは限りません。
中長期的な視点を持って業務改革を進めていくことが大切です。
最後は「戦略の見直し」です。
企業の経営において、常に経営戦略どおりに進むことはありません。
現段階の課題を洗い出し、解決したとしても再び戦略の見直しが必要になることがあります。
通常経営戦略の見直しは経営陣が進めることが一般的ですが、ビジネストランスフォーメーションの変更においては現場にいる従業員も参加することが重要です。
また、単発で見直しを行うのではなく、定期的に戦略を見直していくことが大切です。
その時々に応じて変化に対応し、最適な戦略を練り続けることを意識しましょう。
BXは業務をデジタル化することで、ビジネスモデルを変革したり新たに生み出したりする活動です。
近年導入が進んでいるDXを進めるうえでも、BXは重要となってきます。
BXはITシステムを導入したからといって、勝手に成功するものではありません。
課題は洗い出せたが解決策がなかなか見つからないなどと行った場合には、コンサルティング会社やマーケティング会社などに支援を依頼するのもいいかもしれません。
将来の経営や働き方を考えながら予測と検証を繰り返すことが、長期的な企業の成長へつながる大切なポイントです。