DXが推進されている中で、データ活用を用いた意思決定が注目されています。
活用するデータとしては「ビッグデータ」というものがあります。
そこで今回は、ビッグデータとは何かという基本的なことから、実際どのようなシーンで活躍するのかなどビッグデータについてご紹介いたします。
ビッグデータについてご紹介いたします。
ビッグデータとは、その名の通り「巨大で複雑なデータ」のことです。
ビッグデータにきっちりとした定義は定められていませんが、「4つのV」という要素が含まれているものがビッグデータと呼ばれています。
4つのVとはどのようなものでしょうか?
4つのVは「Volume」「Velocity」「Variety」「Value」から構成されています。
「Volume」はデータ量、「Velocity」はデータの速度、「Variety」はデータの種類、「Value」はデータの価値を意味します。
ビッグデータの特徴として、データ量が非常に多いことが挙げられます。
データ容量に関してはテラバイトではおさまらず、数ペタバイトの容量までもが必要だと言われています。
かつての技術では処理できませんでしたが、コンピュータの機能向上により、テキスト、画像、動画、音声などはもちろん、ログファイルや位置情報など幅広いデータ処理が可能になりました。
ではなぜビッグデータが注目されるようになったのでしょうか?
ビッグデータが注目されるようになった背景として、TwitterやInstagram、LINEなどのSNSが急速に普及したことが挙げられます。
SNSの普及で、リアルタイムに莫大なデータが蓄積されるようになったため、競合他社の分析など、マーケティングツールとして欠かせなくなりました。
また、SNSの普及とともに、クラウドサービス*やAIの普及も追い重なり、蓄積された大量のデータを迅速かつ正確に分析できるようになりました。
さらに、近年「DX」について注目されています。
DXへの推進として欠かせないのが、「データドリブン**」です。
データドリブンとは「収集した実際のデータを分析し、その結果に基づいて意思決定をすること」です。
そのデータドリブンするためにビッグデータが活用できるということで、ビッグデータがますます注目されるようになりました。
*クラウドサービスについてはこちらの「働き方が変わる!?クラウド化について」の記事をご覧ください。
**データドリブンについてはこちらの「DXに欠かせない「データドリブン」についてとその活用方法」の記事をご覧ください。
ビッグデータはあくまでデータであるため、活用して初めて効果を成します。
先ほどの注目されているワケとして、データドリブンに活用できるからとお伝えしましたが、それだけではなく、AIと組み合わせることでも効果を発揮します。
AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」とも呼ばれています。
一般的にAIが高い精度で判断を行うには、「データによる学習」が必要だと言われています。
莫大なビッグデータを効率よく活用するためにはAIの技術が必要となっており、そのAIの精度を高めるためにはビッグデータを用いた学習が有効です。
つまり、AIとビッグデータは、それぞれがお互いを必要としているのです。
ビッグデータが活用されるシーンとして、「予測」「現状分析」に分けて2つご紹介いたします。
まずは、「予測」分野で活躍する事例について、来客をともなうサービスを例にお伝えします。
飲食店や観光地などの来客をともなうサービスでは、来客数(忙しさ)により発注や従業員のシフトを組む必要があります。
経営体制について長年の経験や勘に頼るところがほとんどですが、在庫ロスや従業員の過剰配置といった問題が発生してしまいます。
しかし、気象データや周辺の宿泊施設のデータ、サイトのアクセス数などのビッグデータを分析することで、来客数はもちろん顧客の属性までもが予測できるようになります。
精度の高い来客予測から、過不足のない食材の発注や、効率の良い従業員配置が可能となります。
このように、ビッグデータから精度の高い予測を行うことで、無駄のない効率的な経営を行うことができます。
次に「現状分析」分野で活躍する事例について自動販売機を例にお伝えします。
ユーザーは自動販売機から商品を検討する際、左上からZを描くように商品を見ると考えられており、主力商品は左上に置くのが一般的でした。
しかし、自販機に設置したユーザーの視線の動きを計測したデータや、消費者アンケートデータなどのビッグデータから、陳列されている商品へのユーザーの視線はZを描くように動いているのではなく、一番下の段から見られていることが判明したそうです。
精度の高い消費者の行動把握から、自動販売機に限らず、店舗での商品陳列など売上増加につながる施策立案につなげることができます。
今回は、ビッグデータについてお伝えしました。
ビッグデータという言葉は普及しているものの、ビッグデータの活用ができていない企業がまだまだ多いのが現状です。
この記事より、言葉の意味はもちろんですが、「自分たちもビッグデータを活用するとビジネスに動きが出るのではないか」と感じていただければ幸いです。
オープンになっているビッグデータも数多く存在するので、ビジネスの意思決定をする際にはビッグデータを用いた分析を試してみてはいかがでしょうか。