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ビジネスにAIをどう取り入れる? 生成AIの活用シーンとは

キーワードを入れるとそのキーワードに沿ったイラストが出てきたり、顔写真をアップすると、韓国風メイクや10年後の顔にしてくれるといった画像生成AIや、質問をすると回答してくれるChatGPTを知っている方が多いのではないでしょうか?

今や海外や国内ともに生成AIが目まぐるしい勢いで発展しています。

興味本位でChatGPTを使ったことがあるという声をよく聞きますが、ビジネスシーンにおいてはまだまだ生成AIは使われていないのが事実です。

そこで今回は、生成AIについて基本的なことから、生成AIをビジネスシーンでどのように活用できるのかをご紹介していきます。

生成AIとは

「ジェネレーティブAI」と呼ばれることもある「生成AI」はディープラーニングを用いて構築されたAI(人工知能)の一種で、AIを活用し様々なクリエイティブを生み出すことができます。

生成AIは、画像をはじめ文章や音楽、動画、プログラムコードなどを生成することができます。

クリエイティブを生み出すことができるといっても、ゼロからなにかを生み出せるわけではありません。

生成AIは機械学習から膨大なデータを習得し、そのデータを使って予測します。

あくまでデータに基づきクリエイティブを生み出していることを覚えておいてください。

また、活用する際に1点注意しなければならないことに、生成AIは現在の状況ではまだ、毎回必ず正しい回答が返ってくるとは限らないことも挙げられます。

生成AIの種類

次に、生成AIの種類をご紹介いたします。

画像

まず1つ目は、「画像生成AI」です。

ユーザーがテキストを入れると内容に応じてAIが画像を作成します。

画像生成AIで1番有名だとされているのが「Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)」です。

生成したい画像のイメージをテキストで入力すると生成AIが画像を作成してくれます。

また、ラフなスケッチからより完成度の高いイラストに仕上げてくれる画像生成AIもあります。

テキスト

2つ目は「テキスト生成AI」です。

テキスト生成AIは、ユーザーが打ち込んだ質問に対し、回答となるテキストを生成してくれます。

テキスト生成AIで有名なのが「ChatGPT」です。

たとえば、プログラミングでエラーが出たコードをそのままテキスト生成AIに入力すればエラー箇所を修正してもらうといった活用も可能です。

また、様々な言語の音声データを文字データに書き起こしてくれるテキスト生成AIもあります。

アレクサと声をかけたら反応するAmazon Echoは、人間の声を認識・把握し、その音声入力内容にあった操作を行ってくれますよね。

音声認識技術は日々進化しており、生成AIにも関わってきています。

音声・音楽

3つ目は「音声生成AI」と「音楽生成AI」です。

音声生成AIで有名なのが、「AI Talk」です。

音声生成AIは、数秒の音声サンプルを入力するとその音声の特徴を学習し、新しい音声データを生成してくれます。

たとえば、自分の声や人の声を入力すれば、その登録した人の声でテキスト文章を読み上げてもらう事ができます。

すでにゲームやカーナビ、駅構内などの音声案内にも活用されています。

また、音楽のジャンルと曲の長さを設定することで曲が出来上がる「音楽生成AI」もあります。

音楽生成AIで有名なのが「Amper Music」です。

動画

最後4つ目は「動画生成AI」です。

動画生成AIで有名なのが、Meta社の「Make-a-Video」やGoogle社の「Phenaki」です。

動画生成AIは、作成したい動画のイメージをテキストで入力すると、そのイメージに沿った短い動画を生成してくれます。

また、動画を入力し、その入力した動画から全く新しい動画を作り上げる動画生成AIもあります。

まだまだ短時間の動画しか生成できないものが多いため、これからの進化が期待されています。

生成AIのメリット

作業の効率化

生成AIの1つ目のメリットは「作業の効率化」を見込めるところです。

クリエイティブを生み出すまでに最大でも数分しかかからない生成AIを活用することで、人間の作業時間が短縮され効率化に繋がります。

人間が文章などのコンテンツを作成しようと思うと、時間がかかるのはもちろん、体調の変化や進み具合によってはモチベーションも低下してしまうことがあります。

生成AIでは、体調やモチベーションによってクリエイティブ完成までの時間が毎回変化してしまうことはありません。

新たなアイデアの発見

2つ目のメリットは自分では考えられなかった「新たなアイデア」を発見できることです。

生成AIはひとつの単語に対し、複数のコンテンツを同時に生成することができます。

色の変更を指示するだけで簡単にバリエーションを増やせるため、その中で良いアイデアを選ぶことも可能です。

生成AIのデメリット

品質の保証がない

生成AIの1つ目のデメリットは「品質が安定しない、保証できない」ところです。

生成AIでは1つの指示で複数コンテンツを同時に生成することができますが、何度も生成を続けていくと最終的にどれも似たようなコンテンツができてしまう可能性があります。

フェイクコンテンツの増加

2つ目のデメリットは、フェイクコンテンツが増加してしまう恐れがあることです。

生成AIは、人物や建物などにそっくりな画像や、実際にありそうな名称を使った文章やニュースなどを作り出すことができます。

ブランドロゴそっくりなデザインや有名人へのなりすまし、コラージュ画像などが世界中に拡散され社会が混乱する恐れもあります。

生成AIを活用する側としては、著作権に細心の注意を払うこと、生成AIで作成されたものを見る側としては、情報の真偽を判断するスキルが必要となります。

生成AIのビジネス活用シーン

ここまで、生成AI・各種生成AIについてとメリット・デメリットをお伝えいたしました。

では実際ビジネスのどのようなシーンで生成AIが活躍するのでしょうか?

6つのシーンに分けてご紹介いたします。

Webデザイン制作

まず1つ目は「Webデザイン制作」です。

Webサイトのデザインはもちろん、SNSのアイコンやブログ、広告用バナーなどを画像生成AIを使って生成することができます。

デザインスキルがなくても、会社や店舗のイメージににあった素材を得ることができます。

顧客へのコンテンツ作成

2つ目は「顧客へのコンテンツ制作」です。

テキスト生成AIを活用することで商品説明やメール、広告の文書などを自動で作成できます。

メールなどの文章において、文末表現や言葉を選ぶ必要がなくなります。

プログラムコードの修正・作成

3つ目は「プログラムコードの修正・作成」です。

まだまだ完璧とはいえませんが、全体の大まかな部分はテキスト生成AIが構成し、あとの細かい修正を人間が行う形でも作業効率は大幅にアップします。

議事録の作成

4つ目は「議事録の作成」です。

生成AIでは、会議中に録音した音声データを入力することで自動的に音声データの内容をテキスト形式で書き起こしてくれます。

また、書き起こされたテキストを生成AIで要約することもできるため、人間が行う作業は最後の確認・修正のみにできます。

録音した会議内容を聞き返しながら手作業で文字起こしするといった作業がなくなり、効率化に繋がります。

チャットボットとの連携

5つ目は「チャットボットとの連携」です。

最近様々な企業のホームページで取り入れられているチャットボットと呼ばれる、ロボットとページ上で会話しながら問い合わせるサービスとも連携して活用することができます。

生成AIは、事前に設定した回答やシナリオに沿ったシナリオ型のチャットボットではなく、ユーザーからの複雑な質問にも回答ができるAI型チャットボットと相性が良いです。

ユーザーから来た複雑な質問を学習していくことで、チャットボットからの回答の質が上がっていきます。

キャッチコピーの作成

最後6つ目は「キャッチコピーの作成」です。

生成AIは、新たなアイデアの発掘やイメージを具体化したいときにも活躍します。

たとえば、夏用にさっぱりする新作アイスのキャッチコピーを考えたいときには、「夏っぽくさっぱりするアイスのキャッチコピー」と生成AIに指示すると、「爽快フレッシュクールアイス!」というような具体的な案を提示してくれます。

自分では思い浮かばないアイデアも見つかるかもしれません。

今回は、生成AIについてご紹介いたしました。

テキスト生成・音声生成・音楽生成・動画生成など様々な種類の生成AIが存在します。

プライベートでChatGPTや画像生成AIを活用している方が増えてきています。

音声データからテキストデータに、画像のデザインを考えてくれたりと、ビジネスシーンで活躍できるものもたくさんあり、業務の効率化を期待することができます。

生成AIをプライベートだけでなく、ビジネスに活かしてみませんか?