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AD(アクティブディレクトリ)とコンテンツクラウドの活用

AD(アクティブディレクトリ)は、企業におけるリソース管理の要となる機能です。

特にクラウドサービスとの連携が進む中、アカウント管理やアクセス制御を効率化し、セキュリティを強化するための重要な手段となっています。

本記事では、アクティブディレクトリの基本から、Boxなどのクラウドサービスとの連携による業務効率化とセキュリティ向上の最新トレンドについて解説します。

アクティブディレクトリとは

アクティブディレクトリとは、マイクロソフトが提供するWindows Serverというサーバ向けOSに搭載されている機能のことで、ADと省略されることもあります。

そもそもディレクトリとは、ファイルを分類・整理するための一覧表のことで、何がどこにあるのかをまとめて示しています。

階層になっているフォルダ構造など、ディレクトリはあくまで「一覧表」のようなものなので、そこに「データやモノ」があるわけではありません。

では、ADとは具体的にどのようなものでしょうか。

ADは、会社が持つ人材や情報などのリソースを管理するためのディレクトリです。

社員の所属や各権限などを企業は管理する必要があります。

企業規模が大きくなればなるほど複雑なリソースになってきます。そうしたリソースの管理を行うのがADというわけです。

アクティブディレクトリの主な機能

グループポリシーによるセキュリティ強化と一貫性のある管理

ADの「グループポリシー」は、ネットワーク上のコンピュータやユーザー設定を一元的に管理できる強力な機能です。

例えば、パスワードの複雑さや有効期限、スクリーンロックの時間、USBポートの利用制限といったセキュリティポリシーを企業全体に適用することで、安全な環境を構築します。

また、一度設定を変更するだけで組織全体に反映されるため、管理効率が大幅に向上します。

自動化とプロビジョニングのメリット

ADには、自動化されたプロビジョニング機能が備わっており、アカウントの作成や削除、権限の付与を自動化できます。

例えば、新規入社の際に人事システムから情報を連携し、各部門や役職に応じた権限が自動的に設定される仕組みを構築できます。退職や異動に伴う権限変更や削除も自動化され、手動で発生しやすいミスを防ぎます。

特にクラウドサービスとの連携によるプロビジョニングの自動化は、複数システムのアクセス権限を一元管理できるため、企業全体のセキュリティを向上させる重要な施策です。

アクティブディレクトリで管理作業が軽減

一般的にADでは、社員の所属状況やユーザー名、パスワード、権限情報を管理しています。

新規で社員が入社すればアカウントを作成し必要権限を付与、退職者にはアカウントの削除を行います。

しかし社内用アカウント管理と、クラウドストレージやその他のツールのアカウント管理は別々に行う必要があり、これにより二重管理が発生することもあります。

ADをクラウドストレージやツールと連携させることで、アカウント管理が一元化され、工数削減や管理ミスの防止に繋がります。

アクティブディレクトリとBoxとの連携

ADは、Boxのようなコンテンツクラウドと連携することで、企業におけるデータ管理とセキュリティ対策をより効果的に実現します。

シングルサインオン(SSO)

ADのシングルサインオン(SSO)機能により、Boxへのアクセスも一度の認証で済むようになります。

これにより従業員のパスワード管理の手間が減り、容易なログインとセキュリティ強化が実現されます。

セキュリティとコンプライアンス強化

Boxとの統合により、アクセスログや操作履歴が一元管理され、情報の出入りを監視することが可能です。
この監査機能は、法規制やコンプライアンス要件を満たすために重要であり、不正アクセスの防止にも役立ちます。
さらに、アクセス権限の一元管理により、権限漏れや不要なアクセスを最小限に抑えることができます。

監査とコンプライアンスの強化

統合された認証システムは、不正アクセスやセキュリティ違反の追跡を簡単に行うことができます。

ADとクラウドサービスの連携により、詳細なログ情報を収集し、監視を強化できるため、規制遵守の要件を効果的に満たすことができます。

効率的なデータ活用と情報共有

ADを通じてBox内のデータへのアクセスを一括管理することで、部門やプロジェクトごとの情報共有がスムーズに行えます。

適切な権限をもつ社員のみが特定のファイルやフォルダにアクセスできるため、データの保護と業務効率の向上を同時に実現します。

さいごに

今回はアクティブディレクトリ(AD)についてご紹介いたしました。

ADは、企業のリソース管理において中心的な役割を担い、クラウドサービスとの連携を通じて、その効果はさらに拡大しています。

特にアカウント管理の効率化やセキュリティ強化といった側面では、Boxのようなクラウドサービスとの統合が大きなメリットをもたらします。

ADを活用することで、シングルサインオン(SSO)による利便性や監査機能によるコンプライアンス強化など、現代のビジネス環境で求められる高度な管理が可能になります。

ADの導入・活用によって、企業は安心・安全かつ効率的なリソース管理を実現し、より競争力のあるビジネス運営が可能になるでしょう。

BoxとADとの連携が気になる方はこちらからお気軽にご相談ください。