ブロックチェーン推進協会技術応用部会主催の『第1回 ブロックチェーンアプリコンテスト』に参加してきました。
このアプリコンテストの趣旨は、「仮想通貨らしくないブロックチェーン」ということで、通貨やポイントをイメージさせないことを重視していました。そのため、参加された各社からは面白いアイデアのアプリケーションが発表されました。
アイ・エス・アイソフトウェアーからは3名で参加し、「インフォテリア賞」をいただきました。
今回の記事は、作成したアプリケーションについてご紹介します。
アプリケーションの内容を決めるにあたり、社内で公募しました。
その中で面白そうだったのが”LOCAVO”というアプリケーションでした。
”LOCAVO”は場所(Location)、投票(Vote)、声(Voice)の頭文字を取って名づけらました。地域にいるユーザーどうしがその地域の情報を投稿し共有するアプリケーションです。アイ・エス・アイソフトウェアーのミッションも「繋ぐ、繋がる」なので、このアプリケーションの方向性と会社の方向性が一緒ということもあり、地域のユーザー同士を繋げるアプリケーション”LOCAVO”をブロックチェーンを使って作成することになりました。
”LOCAVO”のコンセプトは、ユーザ同士が地域の情報についての投稿を共有・閲覧できるようにすることで、分散した情報を一箇所に集約し、情報へのアクセスをシンプルにすることです。
現在、地域の情報を知りたいときには、様々なWebサイトにアクセスして情報を入手しなければいけません。たとえば、天気は気象情報サイト、渋滞は交通情報サイト、地域のイベントはニュースサイトや自治体のWebサイトといった具合です。
また、これらの情報は更新が遅いこともあり、交通情報や局地的な天気の情報はTwitterなどのSNSを見たほうがリアルタイムな情報が入手できることがよくあります。
この問題を”LOCAVO”が解決します。
ブロックチェーンの特性はいろいろありますが、その中でもP2Pにより個人同士が直接つながることができるネットワーク形成が今回のアプリケーションのコンセプトとマッチしています。
また、ブロックチェーンの分散台帳の仕組みが、情報の共有を容易にします。
さらに、今回は実装しませんでしたが(コンテストの趣旨に反するため)、情報のやりとりに地域通貨のようなコインを絡めていくと、より情報の共有化がすすみ、地域の活性化につながるのではないかと考えています。
コンテストの条件として、パブリックのブロックチェーンのテストネットを使うこととありました。
ビットコインかイーサリアムかで悩みましたが、公開しているAPIが豊富なビットコインを選ぶことにしました。
余談ですが、直前の技術部会の勉強会の内容がイーサリアムのハンズオンだったこともあり、イーサリアムを採用しているチームが多かったです。
フロント部分はスマホアプリを作成しました。スマホアプリの開発はHTML5ハイブリッドアプリ開発プラットフォームのMonacaで作成しました。
ビットコインとの連携にはアイ・エス・アイソフトウェアーが得意としている「ASTERIA WARP」を採用しました。
「ASTERIA WARP」はサーバーサイドの処理を短期間で構築できること、内部に持っているデータベースを利用できることから、採用しました。
今回は2つの機能を実装しました。
ひとつは位置情報を取得し、天気情報、交通情報を入力し投稿できる機能です。
”LOCAVO”はユーザの投稿が前提にあるので、まずは投稿する機能を実装しました。
もうひとつは、投稿された情報を種別ごとに地図上にプロットして閲覧できる機能です。
地域の情報が地図上で俯瞰的に見えることで、本当に欲しい情報にすばやくアクセスすることができます。
ブロックチェーンとのコネクト部分は多くのサイトでAPIが公開されているため、実装に時間はかかりませんでした。何よりパブリックなので環境構築の手間がかからないのが良かったです。
スマホアプリも簡単に作成できるツールがあるので、それを利用すると短期間で完成させることができます。
今回は、連携部分に「ASTERIA WARP」を採用しましたが、複雑な連携が不要な場合であれば直接APIを実行する方が簡単でした。
実は今回のコンテンストまでの期間が短く、アプリを完成させることができるか不安でもあったのですが、やってみると意外とすんなりと作成することができました。やはりやってみることが大事だなと改めて気付かされました。
アイデアの良し悪しを考えるよりも、どんどん作って実現してみることで、ブロックチェーンを活用するアイデアの幅が広がると感じました。
また今回のコンテンストで、他のチームの方のアイデアから多くのことを学ぶことができました。やはり色々な視野をもった多くの人とブロックチェーンについて話をすることもアイデアの幅を広げることになります。