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経理担当者がおさえておきたいDX関連用語7選

経理業務はデジタル化に一番向いている業務だと言えます。実際に経理業務からDX化を推し進めている企業も多く存在し、経理担当者はDXに関心を向けています。

そんな経理担当者に向けて、まずは絶対押さえておきたいDX関連用語7つを言葉の意味とその重要さとともにお伝えします。

絶対におさえておきたいDX関連用語7選

1. DX

DXはデジタルトランスフォーメーションの略で、本来はデジタルを中心とした業務内容の変革を意味します。しかしながら、日本では業務の一部をデジタル化したり、IT中心の業務フローを構築することを指してDXということもあります。もちろんDXを実現するためのプロセスとして、これらは重要です。業務全体がデジタル中心でまわっている企業だけがDXを実現することができます。

もし、上長などからDXの取り組みを指示された場合には、自社に必要なステップを洗い出したうえで、優先順位を考えながら取り組んでいく必要があります。

2. SaaS

SaaS(Software as a Serviceの略:一般的に「サース」と呼ばれる)は、ソフトウェアの提供形態の一種です。ユーザー企業は自社でソフトウェアを保持する必要がなく、サービス提供元が提供しているソフトウェアをインターネットなどのネットワークを通じて利用することができます。

SaaSはその提供形態から、月額や年額で利用することが多いため、導入時のコストを抑えることができます。またソフトウェアのアップデートが定期的に実施されることが多く、ユーザーは常に最新のソフトウェアを利用することができます。これは法改正などの対応も含まれることがほとんどで、自社で改修のためのコストを払う必要がありません。

ただし、月額や年額での支払いのため、ソフトウェアの利用中に利用料が上がることは念頭に置いておかないといけません。またサービス提供が突然終了することもリスクとして捉えておく必要があります。

3. 経費精算システム

経費精算システムは、企業内で発生した経費を入力するためのシステムです。経費の入力はもちろんのこと、システムによっては、申請・承認や自動仕訳の機能がついており、経費に関する業務はすべて経費精算システムが担います。経費精算が紙でおこなわれている企業にとってはいち早く導入すべきシステムです。

営業担当者が顧客への移動中や空き時間に入力できたり、テレワークの普及によって場所を問わず入力や承認ができたりするように、多くの企業でSaaSなどのクラウド型経費精算システムが採用されています。ERPに経費精算システムが含まれている場合には、経費精算の機能だけ社外から利用できるように工夫している企業もあります。

経費精算システムを導入することで、経費関係の書類が電子化されるため、電子帳簿保存法の要件も満たせているかをおさえておくことが重要です。

経費精算システムは、経理担当者の業務負担を大きく軽減し、DXの足掛かりになります。

4. データガバナンス

データガバナンスとは、企業内でのデータの運用方法を定義し、マネジメントしていくことを指します。情報漏洩やセキュリティ対策、コンプライアンスの遵守といった基本的な内容から、データの関連性や整合性、信頼性などの企業全体でのデータの価値を高める取り組みも含まれます。

特に経理関係のデータは重要度が高く、データの正確な参照権限やデータへのアクセス者情報の保持、データの更新履歴の保持など、様々な点を考慮しながらデータガバナンスを担保できる経理システムが求められます。データの信頼性が著しく低下している状態では、データを根拠にした戦略に矛盾が生じ、経営状況の悪化を招きかねません。

5. RPA

RPAはロボティックプロセスオートメーションの略で、パソコン(デジタル上)でおこなう業務をロボットに任せることができるソフトウェアのことです。RPAは人の判断の入らない、単なる繰り返し作業を得意としています。経理担当者の業務の中にはRPAが得意とする業務が多いといわれています。

RPAの多くはプログラミングが不要なノーコードツールであることが多いため、経理担当者が自動化したい作業をロボットに自分自身で指示することが簡単にできます。情報システム担当者やベンダーを介す必要がないため、小さな規模から始めることができ、少しずつロボットに任せる業務を増やしていくことができます。

また、RPAでできることを考えていくうちに業務のやり方自体を変えることができたという実績も多くあります。業務のやり方が変わったことでより効率化され、多くのメリットを享受することができます。

6. データ連携 / EAI / ETL

EAI / ETLに代表されるデータ連携システムは経理担当者におさえておいていただきたいシステムです。

経理業務は多くの業務の最終地点であると言えます。システムにおいても同様に、様々な業務システムのデータの行き着く先が、経理システムです。経理担当者は様々なシステムを参照しながら、経理システムにデータを入力しています。この業務を代替するのがデータ連携システムです。様々なシステムと経理システムをつなぎ、データをリアルタイムに流し込むことで、経理担当者はデータの入力をしなくても、常に最新のデータを経理システム上で確認することができるようになります。

経理担当者の時間の削減だけでなく、誤入力を防いだり、リアルタイムに経営数字を出せたりと、データ連携のメリットは計り知れません。

7. BI

BIはビジネスインテリジェンスの略で、様々なデータを分析・見える化します。経理担当者が作成する財務諸表や業績資料などもBI上でレポートを作成しておけば、経営層はいつでも数字を確認することができます。先述のデータ連携ツールと共に活用することで、リアルタイム性も向上します。

数字を見せるだけでなく、グラフや図で表現できるため、数字の羅列だけでは見えにくかった指標や気付きを得られる機会が増えます。

経理担当者の資料作成の時間が削減され、分析の質をあげることができるため、企業内の無駄なコストを上手く活用することに繋がります。

経理担当者は、企業のDXにおいて、切っても切り離せない重要なポジションを担います。情報システム担当者に一任するのではなく、自分たち自身でもDXについてしっかりと理解したうえで、様々なITシステムを活用しながらDXへのステップを歩んでいくことが求められます。

この記事を読んでいただいた経理担当者の方が企業のDX推進の一歩を踏み出していただけることを期待しています。DXの戦略の立て方や実施方法に不安がある方は、気軽にご相談ください。