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ERPとは?〜多くの企業がERPを導入する理由〜

作成者: 株式会社インサイトイメージ|2015年9月21日

社会環境や事業を取り巻く環境が大きく変化し、それまで順調だったビジネスの売り上げが大幅に下落する、このような事例は珍しくないでしょう。たとえばデジタルカメラが登場したことにより、それまで写真の撮影に欠かせなかったフィルムが不要になり、多くのフィルムメーカーが新たな事業に取り組むことを余儀なくされました。

このように、事業環境の変化をいち早く察知して新たな戦略を打ち立て、自社が持つ資源を適切にコントロールしていくことが経営者には求められます。このような企業経営の手法の1つとして、1990年代に広まったのが「ERP」です。

ERPはEnterprise Resource Planningの略で、企業資源計画と訳されます。企業が持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ)を統合的に管理し、その有効活用により経営の効率化を図るというERPの考え方は、適切に経営判断を行っていく上で理に適ったものと言えるでしょう。そもそも自社の資源が把握できていなければ、適切な経営判断を下すことは不可能であるためです。

このERPの考え方が広まる以前から、多くの企業が業務の効率化や情報の管理を目的として、さまざまなシステムを利用していました。生産管理システムや販売管理システム、会計システムなどがその代表例でしょう。ただ、これらのシステムでは、経営資源の統合的な管理を実現することは困難でした。経営資源につながる情報はそれぞれのシステムによって個別に管理されていたため、ERPが目指す統合管理を実現できなかったのです。

1つのデータベースで情報を管理する

このような背景から、多くの企業に広まったのが「ERPパッケージ」です。生産や販売、経理といったそれぞれの領域ごとに個別にシステムを構築するのではなく、すべての業務を統合的に管理するためのシステムであり、これを実現するために1つのデータベースで情報を管理する形が採られています。

ERPに似た考え方として「大福帳」があります。江戸時代や明治時代の商家で使われていた帳簿が大福帳で、そこには商品の仕入れから販売まで、すべての商売の履歴が書き留められていました。つまり大福帳を見れば、これまでどのような商いを行って来たのかがすべて分かるようになっていたのです。ERPパッケージの考え方も同じで、データベースを1つに集約することで、経営判断に必要な情報の統合管理を実現しています。

現在、ERPパッケージは数多くのITベンダーが提供しており、それぞれで特徴は異なります。このため、ERPパッケージの導入においては、自社に最適な製品はどれかを考えることから始まります。

ERPパッケージの選び方

それでは、具体的にどのような視点で製品を見極めるべきでしょうか。ここで意識したいのは、以下の3つのポイントです。

  • 自社の事業規模と合っているか
  • 日本の商習慣に対応できているか
  • 自社の業務と整合性が取れるか

ERPパッケージは大企業向けから中小企業向けまでさまざまな製品があり、想定した事業規模に合わせて作り込まれています。たとえば海外のITベンダー製のERPパッケージは大企業での利用を想定した製品が多く、特に中堅・中小企業での利用では、導入に膨大な費用と時間がかかったり、自社の業務に合わないといったケースが少なくありません。そのため、そのERPパッケージがどの程度の企業規模を想定しているのかをまず見極める必要があります。

日本の商習慣に対応できるかどうかも大きなポイントでしょう。ビジネスのグローバル化が進む一方、業種によっては日本独自の商習慣が根強く残っており、それに対応できなければ追加費用を負担してカスタマイズしなければなりません。またERPパッケージは財務会計までカバーしているため、当然ながら日本の税制への対応などもチェックすべきポイントになります。

自社の業務との整合性も重要です。ERPパッケージが想定している業務プロセスと自社の業務の流れが食い違っていれば、業務の遂行に大きな支障を来すことも考えられるためです。この際に参考になるのがそのERPパッケージの導入事例であり、自社の業態や企業規模に近い企業の導入事例は、ERPパッケージの選定時に大いに参考になります。

ただERPパッケージは業務を統合的に管理することを目的としているため、ソフトウェアとしての規模は膨大で、外部に公開されている情報だけで判断することは困難です。導入を検討しているのであれば、まずは資料を請求し、製品の概要や特長を理解するところから始めてみましょう。

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