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「物理的な壁」をとっぱらうだけで生産性が向上!?社内コミュニケーションを活性化させるフリーアドレスとは

作成者: ERPグループ|2017年3月9日

皆さんの会社は、どのような配置でオフィスレイアウトをしていますか?
会社の企業規模が大きくなってきて、従業員数が増えていくと必ずといっていいほど課題となってくるのが、社内コミュニケーションです。

会社の成長に反して組織が崩壊または硬直化してしまうことを防ぐために、個人や部門間の垣根を越えて社員同士の対話を自然に発生させ、意見を言いやすい風通しのよいオフィス作りをする必要でしょう。
一方で、それは社内コミュニケーションの活性化を考える上で、誰もが十分に承知していることだと思われますが、実際のフロアを見渡してみた現実はいかがでしょうか?

注目すべきことに、HR総研の調べによると、部門間のコミュニケーションに課題を感じている企業が、実は68%にものぼるとの統計データがあります。

このように、生産性の向上に向けて、もし現場でうまくいっていない状況が実在していのであれば、何らかの施策を講じる必要があります。
そのような中、コミュニケーションの活性化を図る施策としてオフィスのフリーアドレス化が注目されています。

■そもそもフリーアドレスって何?

最近良く耳にする「フリーアドレス」とは、社員の座席を固定せずに、状況に応じて空いている席やオープンスペースを自由に使うオフィスの形態のことを言います。
よくある例としては、カフェのように机と椅子だけが用意されている部屋に、従業員は各自のノートPCなどの必要機器や書類を持ち込んで仕事をします。保管が必要な書類などは個人用ロッカーや各部署の共用キャビネットなどに保管するようにし、原則的に机の上に個人の専用空間は設けません。

その歴史は、1990年代後半からといわれており、外資系企業やIT企業を中心に導入事例が増えています。
実は「フリーアドレス」というのは和製英語で、米国では同様のコンセプトを「ノンテリトリアルオフィス」などと呼びますが、一気になじみがない言葉になってしまうので、本稿ではわかりやすい「フリーアドレス」を使用しています。

社内環境の改善、コミュニケーションの活性化などの観点から、「うちの会社も導入しようかどうしようか…」とフリーアドレスについて考えられている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下にフリーアドレスのメリット・デメリットを挙げ、どのような効果を得ることができるのかをまとめてみました。

■6つの課題を一度に解決できるフリーアドレスのメリット

  • コスト削減につながる
  • スペースの有効活用ができる
  • チーム編成が容易になる
  • コミュニケーションが活性化する
  • リフレッシュ効果がある
  • 職場が整理整頓される

空いている席に座れば良いので、不在がちな社員の固定席を用意する必要がなくなります。
従来の長机ではなく円形テーブルを使用すれば、より多くの座席を用意することが可能になります。
また、頻繁にチーム編成が変わるような職場であれば、毎回キャスターを持って移動などの引越し作業がなくなります。
フリーアドレスを実施している企業によっては、毎日・毎週の単位で席替えを実施しているところもあるようで、そのたびに新たな顔ぶれと同席することになり、コミュニケーションが活発化し、新鮮な気持ちで仕事を行うことができます。

■フリーアドレス導入時の注意点

  • 個人スペースが減るため書類の電子化が必要
  • 環境作りが必要(ワイヤレス化、ペーパーレス化)
  • 人によってはプレッシャーに感じてしまう
  • 書類を保存する共有スペース、最低限の持ち物を入れておくための個人ロッカーは必要
  • 運用がしっかりしていないと次第に固定席が生まれ、実質フリーでなくなってしまう

個人単位での壁になるのは、荷物を整理するために必要な書類の電子化でしょう。
最初のうちは戸惑うと思われますが、申請書のワークフロー化などは慣れてしまうと非常に便利ですし、ペーパーレス化によるコスト削減につながります。

一番の問題は、上手く運用をまわせるかどうか。
ここがしっかりしていないと結局は固定席になってしまい、意味のない試みで終わってしまいます。
現場全体が慣れるまではしっかりと管理できる体制を整えておく必要があります。

自由に座っていいとなるとどうしても固定席や固まりができてしまうので、いっそのことシステムで自動的に座席を決めてしまう方法もあります。
ランダムに決めてしまうので半ば強制的に色んな人の近くに座ることになり、「同じ部署だけどあの人とはあまり話をしたことがない」という事はなくなるでしょう。

■フリーアドレス導入の目的は?

従来の固定席と同様に、フリーアドレスにもメリット、デメリットは存在します。
自社に導入することでどのような効果があるのか、よく検討する必要があります。

昨今では、多くの有名企業がユニークな社内施策を取り入れています。
しかし、まず考えなければならないことは、それを自分の会社で採用した際に「本当にそこで働く社員のタメになるかどうか?」という点なのではないでしょうか。

コミュニケーションを取らなければならない職種なのか、社内を整理整頓しきちんと文書管理する必要がある職種なのか…
フリーアドレスにかぎらず、様々な社内の環境改善はあくまでも”手段”であり、それが結果的に”社員のためになること”が目的だと思います。
周りの状況に流されずに、ちゃんと目的を見据えたオフィスづくりをする必要があります。

フリーアドレスの導入を考えている方は、それ念頭におきつつ、自分の会社にあった”形”を見据えて導入を検討してみて下さい。