DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は、テレビやニュース、ネット記事などで耳にすることも多いですが、内容まで理解している方は意外に少ないのではないでしょうか。
中小企業にとってのDXは、難しいITの知識や大きな投資がなくても取り組めるものです。
これだけでも、十分にDXの第一歩になります。
DXのスタートは、自社の業務を整理して「どこが問題か」を見える化することです。
いきなり高額なシステムや専門的なツールを導入しても、現時点での問題点が明確でないとうまく活用することができません。まずは業務を整理して、自社の課題を見つけるところから始めましょう。
誰が、何の業務を、どのくらいの時間をかけてやっているのかをリストアップします。
経理、営業、倉庫など部署ごとに業務を整理し、1週間単位や1か月単位での時間も書き出すと、各業務にかかっている時間やコストをより具体的に見ることができます。
「どの業務に最も時間と手間を要しているか」「ムダだと感じる業務は何か」などを聞きます。
こうしてヒアリングを行うことで、解決すべき課題に優先順位をつける際に、参考にすることができます。
このような要点で整理するだけでも、改善点が明確になります。
よくあるIT課題と改善策です。
| 困っていること | 何が問題? | どう変えられる? |
|---|---|---|
| 請求書作成で毎月バタバタ | 手作業・転記ミス・属人化 | データから自動作成 |
| 誰かに聞かないと業務内容や状況が分からない | 情報が個人の頭の中にあり、認識が合っていない | 共有できる場所に記録 |
| 過去の資料が探せない | 紙・PC・メール等バラバラ | 検索できる形で保管 |
| 利益が後からしか分からない | 手計算・Excelが複雑化 | リアルタイムで見える化 |
| ITに詳しい人がいない | 専門知識が必要 | 無料ツールや簡単な仕組みから試せる |
課題が整理できたら、無料で使えるツールや簡単な方法を用いて改善策を試してみましょう。
大事なのは「一気に全部変えよう」とせず、できるところから始めることです。
小さな改善でも、社員が変化を実感できることが重要です。
業務を整理し、改善ポイントが見えてきたら、さらなる効率化のために仕組みやツールを取り入れてみましょう。
①まずは改善したい業務に焦点を当てて、小さく試す
②結果がわかりやすく、社員がすぐ使える形にする
③成功したら社内で共有して、徐々に範囲を広げる
こうすることで、無理なくDXを進めることができます。
DXは、特別な知識を得ることや、高額なシステムの導入から始める必要はありません。
「ミスを減らしたい」「情報をスムーズに共有したい」「特定の人に依存しない体制にしたい」、そう思ったときが最初の一歩です。
まずは業務を洗い出し、課題を整理するだけでも、改善のヒントが見えてきます。
小さな一歩を積み重ねながら、必要に応じてツールや仕組みを活用していきましょう!
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